アパレル店舗ではBGMもブランディングの一環。とりあえずのBGMはいらない
アパレル販売員の方は、自分の働いている店舗のBGMって気にしてますか?
お店に行くと各店舗で様々な音楽が流れています。たまにお客様に「この曲ってなんて言う曲ですか?」って聞かれるって言うのは、アパレル販売員のあるあるの一つかもしれません。
※今回の記事ではJASRACが云々と言う話は主題から外れるので一旦、権利関係の話は抜きにして書きます。
アパレル店舗におけるBGMの重要性
居心地のよい空間作りに
オーディオのトラブルなどで店舗が無音になった経験がある人は分かるかもしれませんが、無音だととにかく接客がしづらいです。特に狭い店舗で無音になってしまうと、スタッフの「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と言う声だけが響くような状況になってしまって、お客様に無用な緊張を強いることになり、明らかにお客様の滞在時間が短くなります。
このように、お客様のために居心地の良い空間作りを行うのがBGMの最も大切な役割です。
ブランディングの一環として
例えば、大人女子向けのフレンチカジュアルのブランドのお店で、フレンチポップが流れているとしっくり来ますよね。逆に、このお店でゴリッゴリのハードコアなアメリカンヒップホップが流れてたりすると、雰囲気を損ねてしまいます。でも、ストリート系のブランドとかだとこれが真逆になります。
洋服作りと音楽や映画などのカルチャーって絶対に結びついているものなので、どんなブランドでも、ルーツとなる音楽があったりします。
ブランディングの一つとしてピッタリのBGMを選びたいものです。
ダサいカヴァーとかとりあえずで流すのやめてー!
BGMの時点で「ダサっ」と思ってしまうのは、とりあえずで掛けてるBGMだと分かってしまうお店です。例えば、ダサいカフェとか美容院とかでも掛かってそうな、往年の名曲のボサノバカヴァーとか、レゲエカバーの類(笑)。これは何がどうなってもおしゃれにはなりません。
BGMはインストか洋楽が基本
あとは、スタッフの好みを押し付けてる感がぷんぷんのロキノン系邦楽ロックとかもたまにありますね。しかもブランドの洋服のイメージに全く合ってないって言う。DJじゃないんだから、あなたの好みはどうでもいいのです。
そもそも、邦楽をBGMで使うのは、よほどのことが無い限り失敗します。
その理由としては、歌詞がお客様の耳に入ることで意識を洋服や接客から遠ざけてしまうから。例えば私は、日本語詞の曲をBGMにして小説を読もうとすると、耳から入る歌詞と本の文章が頭の中で喧嘩をして、小説に集中できなくなるのですが、理屈としてはそれと同じと言えます。なので、店舗のBGMには歌詞の無いインスト曲か、日本人の大部分が聴き取れない洋楽を流すのが一般的です。
ただ、一回某ブランドのお店に行ったときに、はっぴいえんどの風をあつめてが流れていたときは、その時のブランドのシーズンテーマともマッチしてて、ちょっとベタだけど上手い選曲だと思いました。
ファッションを知ると服だけでなく音楽にも興味が沸く
これは特にメンズファッションに根強いのですが、ファッションを文化として捉えて、その歴史やルーツを紐解いていくことこそが本質的である、と言う考えがあります。
私自身は、新卒で入社したときの教育担当の先輩からやっぱりそんな感じのことを言われて育てられました。最初は「なんか難しい話だな」ぐらいの感想だったのですが、ファッションを知れば知るほど、その意味が分かってきたのです。
確かに、すべてのファッションジャンルや洋服にはそのルーツとなるものがあって、それを知ってると知ってないで自分の着こなしも大きく変わります。そして、そのルーツが音楽や、そこに不随するカルチャーである場合が本当に多いことに驚かされます。
ファッションを突き詰めていけば、必然的に音楽にも詳しくなる、と言うのが私の考えなのですが、まあ、こんな話を語っても「うんちく」と女性スタッフから切り捨てられることがほとんどでした 笑
今日はこんなところで。