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元アパレル販売員で今は転職してアパレル業界の中の人をやっている著者がファッションと関係することや関係しないことを書くブログです。

アパレル販売員の副店長(サブ)は辛い!マネージャー兼プレイヤーな中間管理職

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ファストファッション系SPAの副店長が最終キャリアでした

私は10年近くアパレル販売員をしていましたが、最終キャリアは全国展開の某ファストファッションブランドの、旗艦店(従業員数100人規模)の副店長(サブ)でした。

ヒラ時代から、関東を中心にいくつかの店舗を異動しましたが、最後に関東の旗艦店で副店長として働けたことは、今でも誇れるキャリアです。

ただ、実際に全国トップクラスのショップで副店長をやってみて、給与、体力、仕事内容など様々な点において、アパレル販売員の仕事に限界を感じたことも確かでした。

ブランドによってサブの立ち位置は様々で、小さめのブランドであれば新卒2年目で副店長になれるところもありますが、これから副店長を目指している人や、でかいブランドの副店長の仕事内容が知りたいっていう人の参考になればと思って、当時のことを書こうと思います。

 

アパレルで副店長に求められる役割

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アパレル店舗では当然ながら店長がトップにいて、その下に副店長がいるわけですが、私のいたブランドでは一店舗あたり2~5人程度の副店長が在籍していました。複数人いる副店長チームの中で、それまでのキャリアパスの仕方に合わせて「接客メイン」「VMDメイン」「オペレーションメイン」などの大まかな役割が与えられます。

とは言え、一日中自分の担当職務ばかりをしているわけではなく、店頭で接客もしますし、自分の役割以外の業務のトレーニングやOJTを、スタッフに対して行うこともあります。

私はVMDメインだったのですが、日中は店頭で接客&スタッフのゾーニングの指示出し(ファストブランドによくある小型トランシーバーを使用)をして、営業時間外はレイアウト変更や什器の移動を行っていました。

 

スタッフを育てることで店舗を育てる

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ヒラから副店長などのマネージャークラスに昇進する販売員が最初にぶつかる壁がこれで、それまでは個人のスキルアップを目指してきたのが、他者をスキルアップさせることが自分の評価軸になります。

数字的な話でいくと、個人売りではなくお店全体の売上が、副店長の評価指標です。

そうすると、必然的にスタッフのスキルの底上げによって店舗全体をスキルアップさせることが求められるようになります。なので、日々のOJTや閉店後のトレーニングの企画立案を頻繁に行わなければいけません。

 

でも副店長は接客もガンガンする

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ただ、ここが店長と副店長で微妙に違うところで、副店長はまだまだスタッフを顎で使っておけばそれでOKという立場ではないのですよね。フロアに立っている他スタッフの模範とならないといけないので、ある程度プレイヤーとしての役割も求められるわけです。これは、スタッフから信頼を得るためのパフォーマンスとして、という側面もあります。

店長であれば、一日中デスクワークや本社とのやり取りをしていても問題ないのですが、副店長はフロア人員の一人でもあるわけです。

 

スタッフの相談相手であり続けるのが副店長

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一般社員から見ると、店長よりも副店長の方が身近に感じるっていうのは、誰もが共感できるんじゃないでしょうか。ヒラが最初に相談する相手って、大抵は店長よりも副店長になりますよね。

もちろん、相談をしてもらえる上司でいられることは本当に嬉しいですし、自分のアドバイスでスタッフを導くことができるのであれば、仕事冥利につきます。

ただ、これが大型店舗だと相談を受ける数もなかなかのものです 笑

私が副店長をしていた店舗だとアルバイト含めて100人前後のスタッフが在籍していたので、相談を受ける頻度がとにかく多かったです。私がどちらかと言えば穏やかなタイプだったので、気軽に相談しやすかったのもあるかとは思いますが。

「シフトを調整したいんですけど」みたいな日常的な内容から「VMDのここが分からない」「接客でお客様に相手にしてもらえない」などのスキルアップに関する内容、「彼氏と別れそうだけどどうしたらいいの?」などのプライベートの話題まで 笑

さすがに、忙しいときや終電が迫っているときなんかは「明日にしてくれー!」と思ったものです。

スタッフのモチベーションを上げてあげるのも副店長の仕事なので、やりがいを感じつつも大変だと感じることが多かったです。 

 

レジ締め、売上集計、本社対応などこまごました仕事も振ってくる

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これが一般社員と決定的に違うところです。レジ締め程度であれば、一般社員がやるブランドも結構ありますが、私のいた大規模のブランドでは、基本的にお金の管理、本社とのやり取りは副店長以上のみが行う業務でした。

大型店舗になると、一店舗にレジが10台近くあり、それを一人で一台ずつ締めていくだけでも骨が折れます。金額に差異があれば該当の販売を洗い出し、オフィスのパソコンで本社への売上報告をし、並行して閉店後のスタッフのお畳みや入荷検品の作業を管理し…となると終電がどんどん近づいてくるわけです。

これは、両方を経験した人にしか分からないかもですが、ファストファッションや量販系のブランドは、客数も商品数も従業員数も桁が一つ違うので、セレクトショップなどとは、マネージャークラスの業務量も桁違いに多いですね。

アパレル販売の仕事って、長く続けていると良くも悪くも仕事に対して慣れが出てきて、中堅と呼ばれる頃になると、あまり変わり映えのない日々が続くんですが、副店長に上がると、これまでやったことがない初体験の仕事や覚えないといけないことが山のように振ってきます。ここで鼻を折られる人がなんと多いことか…。

この「覚えないといけない仕事の増加率」みたいな観点でいくと、副店長→店長よりも、ヒラ→副店長のタイミングの方が圧倒的に多いです(店長やったことないけど 笑)。

 

でも副店長の給料はヒラと大差ない

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これもブランドによりますが、副店長になってもあんまり給料が上がらないんですよ 笑

むしろ!

むしろ、マネージャークラスになると管理者扱いで残業代が出なくなるブランドも多くて、仕事量は増えるのにヒラ時代よりも給料が下がるっていう逆転現象が起こる場合すらあります。私の場合で、残業代なしで年収300万円を少し越えるぐらいだったので、これはさすがに割に合わないなーと思いました。同年代の平均年収は400万円を余裕で越えているので、これはキツイ…。

店長の支持とスタッフの気持ちの間で板挟みに

アパレルって良くも悪くも体育会系&アナログ気質で、上司のいうことは絶対な世界です。

例えば、絶対に時間内に追われない作業に対しても、できませんと言うのはダメで、最終的には「仕事の効率を上げれば達成できる」「無駄をなくせば達成できる」っていう、精神論的な結論になりがちです。

この「会社の方針に対してイエスマンであり続ける」っていう資質は、ポジションが上がれば上がるほど求められるようになります。

そうすると企業はどうなるか?

トップ→本社スタッフ→SV→店長→副店長→ヒラと、上の意見がどんどん下に降りてくるようになります。

イエスマンが揃うので「これぐらいの業務量は対応できる」という認識になって、どんどん雪だるま式に仕事量が増えてくるのですね。

そうすると、自分が副店長の立場で一般社員に対して仕事を振るときに迷いが生じるんですよ。

私の場合はVMDがメインだったので、本社や店長のお達しで大幅なレイアウト変更が発生することはしょっちゅうでした。それが非現実的な業務量だったとき、そして部下に作業を振らないといけない場合は、店長と部下の間で板挟みになります。これって、精神的にもキツイんですよ。

スタッフに「これだけの量のレイアウト変更を、これだけの時間で」という指示をしなければいけないのだけど、心の中で「無理だろうな。酷な指示だな」と思ってしまう。

ブランドの考えに染まり切った人間であれば、そこを迷いなく「効率を上げれば達成できる」って、自分のことを棚に上げて 笑 言えるんですが、私には無理でした。だって、スキルが高いはずの自分ですら無理なことを、下位のスタッフには「できる」って言って指示するのって、いくらなんでも人としてどうか?て感じじゃないですか?

VMDに限らず、副店長はあらゆる場面で本社や店長の指示を伝達する役割なので、この板挟み問題は多くのサブが悩んでいる部分です。

 

余談ですが、先日、ユニクロのブラックぶりを明かすために、著者が戸籍を変えて従業員として働き、潜入取材をした「ユニクロ潜入一年」っていう、とても刺激的な書籍 笑 を読みました。 

ユニクロの柳井社長はカリスマ性のある経営者なので、その考えや理念に心酔している社員が沢山いる一方で、社長の一声に対して、下がイエスマンであり続けるっていう、企業体質なのですね。

ご興味ある方はご一読ください。

 

やりがいもあるけど仕事量も段違いなのが副店長の仕事

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ということで、私が副店長をしていたころのことを思い出して、副店長の役割のことを書きました。

おそらく、多くのアパレル販売員が目指しているであろうポジションに対して、夢のないことを書いてしまいましたが 笑

副店長は、目の前の販売のことだけを考えておけばいいヒラと比べると、やりがいも圧倒的にあります。

ただ、その裏には様々な苦労があることも事実。

これから副店長を目指す人は、本当にブランドの考えに共感して、言い方は悪いですが身をささげる覚悟、みたいなのを持っておかないとキツくなるよーというお話でした。

 

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