アパレル販売員と子育て・育児の話。ライフプランから働き方を考えて
▼2020年4月追記
コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。
こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。
今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。
ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。
(追記ここまで)
子供ができてからもアパレルの仕事を続けていく?
夫婦で共働きをしている家庭は、日本全国で60%ほあります。
また、この割合は年々上がっており、今後も女性の社会進出や働き方の多様化が進む中でさらに高まっていくと考えられています。
アパレル販売員は女性がメインの仕事なので、当然こういった話も他人事ではないわけですが、実際に出産を経て、育児をしながら販売員をしていくってどんな感じなのでしょうか?
ということで今回は、10年ほどアパレル販売員をやってきた私が、これまでの経験から、アパレル販売員の仕事と子育て・育児について書きたいと思います。
このページにたどり着いたということは、現在育児中の方、これから出産や育児を予定している人がほとんどかと思いますが、現在独身の人や、出産を考えていない人も、将来的には必ず考えないといけないことなので、今のうちから考えてもらえる機会になればなーと思います。夫婦や家庭の形は人それぞれなので、明確に正解がある類の話題ではないのですが、将来のことを考えるきっかけになれば。
実は、私も第一子を授かり、これから夫婦でいろいろなことを考えないといけない時期なので、自分への備忘録も含めて。
ちなみに、男性が結婚のタイミングで転職する際のお話については、↓の記事がありますので、ご参考に。
>>結婚のタイミングで転職する男性に伝えたい経験談と正しい転職活動の進め方
大前提:勤めているアパレルブランドには育休や職場復帰の実績はありますか?
さて、質問です。
今の職場では産休や育休の制度は存在しますか?また、その制度が形だけでなく、先輩ママの取得実績・職場復帰の実績はありますか?
育休というのは法で定められた権利なので、まともな会社であれば制度自体が存在しないっていうことはありえないのですが、実際にそれが取得できるか?というと別の話です。
「なんて前時代的なんだ」と驚くしかありませんが、子供を授かったことや産休・育休を取得したいことを上司に告げると、嫌みを言われたり、職場復帰後の役職を保証しないことを暗にほのめかすような会社が、今の日本にはごまんと存在します。
また、復帰時に降格されるなんていうことも。
こういった理不尽な話が実際にまだ存在していて、暗澹たる気持ちになるしかないのですが、マジで存在します。
出産・子育てを予定している人は、まずは今の職場の育休取得率や実際に取得した先輩の実績を上司に確認してくださいね。
ここでつまづいたら、もはやそのブランドを辞める以外に選択肢がなくなるので、早めに確認しておきましょう。
平日休みのデメリット。アパレル販売員の仕事を育休後も続けることの難しさ
もしも、今所属しているブランドに育休の制度が整っているとして、1年の育休明けに職場復帰するイメージは持てていますか?
特に正社員として出産前と同じ働き方をしたいと考えている人にとっては、アパレル販売員の仕事は、復帰がなかなか難しい面があるのも事実です。
自分の置かれている状況やパートナーの理解などを含めて、冷静に考えてみましょう。
平日休みのアパレルの仕事は保育園に預けるハードルが高い
育休明けから子供を保育園に預けるパターンを想定してみましょう(実家の親御さんに預かってもらう場合などは今回は割愛します)。
まず、ほとんどの保育園は土日祝がお休みなわけですが、アパレルの仕事は土日祝はほぼ確実に出勤日なので、家族などに預けられない人はこの時点で、厳しくなってしまいます…。
ただ、パートナーが土日休みで任せられる場合や、近所に休日保育を行っている保育園がある場合は話は別ですね。特に、妊娠・出産から育児・子育てに関してはパートナーの協力は必要不可欠なので「自分一人で育児をしないといけない」と考えずに、しっかりとチームワークで乗り越えられる関係性を築いてくださいね。
実際に育児ノイローゼや産後うつにになる人は、パートナーとの連携が取れていない場合がほとんどです。
子供が育てば土日はふれ合いの時間に
平日休みのアパレル販売員には、子供が大きくなり、幼稚園~小学校と進んでいくに連れて、今度は子供とのふれあいの時間をどうやって確保するか?という問題が発生します。
当然ながら、幼稚園や小学校は土日祝が休日なわけで、今度は子供と休日が合わなくなります。これは、遊びたい盛りの子供たちにとっても、やはり寂しいもの。
中学生にもなれば、土日は自分で友達と出かけるようになりますが、それまではパパ・ママと一緒に出かけたり遊ぶことが、子供にとっても楽しみな時間です。
土日休みが可能なアパレルブランドも数は少ないけれど存在します
ブランドによっては土日祝休みなどの、育児中のスタッフに対する制度が整っているところもあります。あなたのブランドはどうですか?
福利厚生に関しては、ある程度規模の大きいブランドや外資系ブランドの方が整っている傾向にあるので、このタイミングで福利厚生を重視して別ブランドへ転職を考える人も多いですね。
私は外資系のSPAに勤めていたので、逆に他ブランドからそういった事情のスタッフを受け入れることが多かったです。
正社員にこだわらず派遣社員やアルバイト・パートも視野に入れる
ただ、どうしても正社員としての勤務となると、土日祝休みを絶対条件にしたときに働き口が狭まることは否めません。
子供がある程度大きくなって手が掛からなくなるまでは、契約社員・派遣社員・パートとして勤務することも選択肢の一つです。
土日祝の休みが取れたり、シフトの調整や一日の労働時間が選べたりとメリットもあります。
ただ、こうなると考えないといけないのは、生活するためのお金の話です。
当サイトではアパレル派遣社員については詳しく解説しているのでご参考になさってください。
進学、習い事…子供が大学卒業するまでのお金とライフプランのお話
- 最終的な家族構成は子供が何人なのか?
- 子供が大学を卒業するまでに必要なお金はどれだけなのか?
- 逆算すると月にどれだけのお金が必要なのか?
- どの水準の生活レベルをキープしたいのか?
そういった、様々な観点から長期的なライフプランを考えた上で、ある意味ではお金をとるか?時間をとるか?という選択をしなければいけません。
育児・子育てを始めると、今までプラス子供の生活費が加わりますし、貯蓄も開始しないといけません。進学のために学資保険などで貯蓄を始める人がほとんどだと思います。
子供が大きくなれば家の広さが気になる人もいるでしょう。マイホームを購入するとローンの支払いも続きます。子供が私立の学校にいけばお金はそれだけ必要ですし、本人が望めば習い事や塾にも通わせてあげたいのが親心です。
家族の将来を、こういった具体的なディティールまでシミュレーションすることで、どれだけのお金が必要か?というイメージが固まってきます。
無関心なパートナーにも現実を知ってもらい、協力を
よくある話ですが、育児に関しての話題は、夫婦のどちらか(主に女性)が熱心に考えていて、パートナーの無関心にストレスを貯めてしまいがちです。
極端な話、これからの生活の心配が何も必要ないぐらい稼いでいる人なら、まだOKなのですが 笑 現実的にはそこまでのレベルの稼ぎを得ている人はごくごく一部です。
まあ、世の男性を少しだけ擁護するなら、彼らはことの重大さに気付いてないだけだったりします 笑 たぶん悪気はない。ちゃんと、育児とお金の件がどれぐらいなのか、っていうのを、先ほど書いたように具体的な事柄と数字と一緒に説明してあげましょう。
男を納得させるのは数字です 笑
幸せになるために。お金がすべてではないけど大切であることは間違いない
と、色々なことを書いてきましたが、結局この件に正解なんてありません。
例えば、世帯年収が低くても幸せな家族だっていくらでもいます。逆に、身を粉にしてお金を稼いでも、忙しさから家庭に不和が起これば本末転倒です。
ただ、お金があることで様々な面で選択肢が増えることも事実です。
例えば、子供がどんな道に進みたいと言っても叶えてあげられる。習い事をしたい、私学に行きたい、留学に行きたい…そういった子供の可能性を「お金がない」という理由で潰してしまうのは、やっぱり寂しいですよね。