アパレルのアウトレット店舗スタッフのお仕事。レギュラー店との違いを解説。
▼2020年4月追記
コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。
こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。
今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。
ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。
(追記ここまで)
アウトレットモールのアパレル販売員の仕事をあなたは知っているか?
アパレル販売員として働いていると、色々な店舗への異動はつきものですが、レギュラー店舗ではなくアウトレットで働いたことがあるスタッフって意外と少ないです。
私は某SPAで働いていたときにアウトレットのスタッフを経験したことがあります。
同じアパレル販売員の仕事でも、レギュラーとアウトレットでは少し違いがあって、今回はそのあたりをご説明できればと思います。
まずは、そもそもアウトレットで売っているアイテムってなんぞ?というあたりから解説していきます。
アウトレットモールで扱われるアイテムの種類
これ、意外とアパレル販売員の仕事をしていても知らない人が多いですが、アウトレットで扱っているアイテムって、どんな感じで決まっているか知っていますか?
大きくは2パターンあります。
1.レギュラー店舗の売れ残りパターン
一般的なアウトレットのイメージといえばこれですよね。
例えば7月にレギュラー店舗で夏セールが行われるとすれば、セール開始前の時点で在庫数を多く抱えている、いわゆる売れ残りは、オフ率を高めに設定するなどして、在庫消化を進めようと本社が動きます。
で、まあ大抵その手の商品っていうのは50%OFFにしようが、まだまだ売れ残ってしまうもので「いかん、これはレギュラーだけじゃ捌けん」となってアウトレット送りに。
アウトレットモールのセール開始が通常のショッピングモールよりも遅いのもそのためで、アウトレット店舗の在庫はレギュラーの売れ方に左右されるのです。
なので、基本的にはアウトレット店舗に置いているアイテムっていうのは「レギュラーで人気のなかった商品」が中心になるのは間違いありません。
ただ、ファッショニスタ的にわかっておかないといけないのは、人気がない=ダサいとは少し違っているという点。
セレクトショップでありがちなのは、本当におしゃれな人しか知らない新興のハイブランドなどは、認知度が低いがために、モノの良さと売上が比例しなかったりするものです。なので、アウトレットってアイテムの目利きができる人が掘り出し物を探しにいく方がいいお買い物ができたりします。
アウトレットのオフ率がレギュラーと変わらない場合も多い
アウトレット店舗に来店するお客様の中には、普段レギュラー店舗では買い物をしない人が多いです。つまり「安く買い物したいからアウトレットしか行きません」っていう層です。
これを逆手にとって、というわけではありませんが、例えば定価3万円のアウターがレギュラー店舗では50%OFFの1.5万円で売られていて、アウトレットに移っても据え置き1.5万円で売られていたりします。というか、ほとんどこのパターンです。少し夢を壊すような話ですが。
お客様はレギュラーでいくらで売られているか知らないので、買っちゃうんですよね 笑
今はスマホでECのオフ率をすぐに見れるので、家に帰って調べたら、同じものがZOZOで普通に同じ値段なのを発見してしまったりっていうこともあり得ます。そこまでする人はそんなにいないですが。
人間の心理って不思議なもので、同じアイテムと同じ値段で販売していても、レギュラー店舗で見るのとアウトレットで見るのとでは与える印象が違うのですね。つまり、「アウトレットだからこれはかなり安くなってるに違いない」と思ってしまうんです。
あとは、アウトレットモールって郊外にあることが多いため、お客様の「せっかく時間をかけて来店したし何か買って帰らないともったいない」的な心理も重なるのかもしれません。
とにかく、アウトレットモールのお客様は購買意欲が高いです。
2.最初からアウトレット用に作っている安価商品
アウトレットに置いてるアイテムのもう一つのパターンが、これ。
本社が戦略的に「レギュラー用のアイテム」「アウトレット用のアイテム」っていうのを最初から分けて作っているパターンです。
特に、セール期以外の時期にはアウトレット店舗に置くアイテムが少なくなったりするので、アウトレットと謳いながら普段はこの手のアイテム中心に販売しているブランドも多いですね。
もはや、本来のアウトレットっていう言葉の意味からは外れているような気もしますが。
アウトレットでのアパレル販売員の仕事
最初に少し書きましたが、レギュラー店舗とアウトレット店舗では、同じアパレルスタッフの仕事でも少し異なる部分があります。
アウトレットでのアパレル販売員は接客が楽!
基本的にアパレルのアウトレットは薄利多売です。とにかく安いものを数売ってなんぼ。
なので、接客でがんがん客単価を積み上げていくよりも、ショートの接客でぽん、ぽんと決めていくのが求められます。
幸い、お客様の購買意欲は異常に高いので 笑 接客自体はレギュラー店舗よりも明らかに楽です。
ただ、端的に要所を掴んだ接客をするためのスピード感には最初は慣れが必要かも。じっくりお話をして一客に時間を掛けるタイプの接客が得意なスタッフにとっては少しストレスかもしれません。
VMDやストック関連の重要度がレギュラーのアパレル店舗よりも高い
接客の話とも少し関連しますが、アウトレットでは「いかにフロアを綺麗に保つか」「ストック欠けがない状態で買い物してもらうか」が売上をとっていくために必須です。もちろん、レギュラー店舗でも重要ではありますが、接客でフォローしにくい分、無人の接客=VMDが大切になってきます。
私が某SPAのアウトレットの店舗で働いていたときも、ただでさえお畳み&ストックマシーンになりがちなSPAのフロア作業にさらに輪をかけて、という感じでしたね。
なので、今レギュラーでストックをガンガンやってるよって感じのスタッフはアウトレットで活躍しやすいです。
アウトレットの閑散期の暇さは異常
セール期以外の平日とかにアウトレットに買い物に行ったことがある人はお判りかと思いますが、スタッフはめっっちゃ暇です 笑
いや、もしかしたら平日でも人気のブランドもあるかもしれませんが、私が見た限りどこも暇。
レギュラーでも閑散期は暇でセール期に近づくにつれて忙しくなっていくものではありますが、その振れ幅がさらに大きいのがアウトレット。
自然の多い郊外に店舗があったりもするので、なんなら、閑散期は自然の中でのんびり田舎暮らししてるだけじゃないかっていう感じの日もあります 笑
まあ、暇すぎる仕事もどうかという意見もあろうかと思いますが、忙しすぎるよりはずっといいのは間違いなし。アウトレットに勤めていると、比較的ワークライフバランスは取りやすいです。
憧れているブランドに入社する取っ掛かりとしてアウトレットを活用するのもあり
ちょっと裏技的ですが、人気のセレクトとかハイブランドの場合は、レギュラー店舗での採用枠が埋まっていることが多いですが、アウトレットなら入りやすい。っていうのもあります。
アウトレットでキャリアを積んで、そこからレギュラーにステップアップするっていうのは充分可能(上司の○○さんは元アウトレットだよーなんて会話はどこのブランドでもよくある)なので、ずっと入りたかったブランドがあるなら、まずはアウトレットからキャリアをスタートするのもおすすめです。
アウトレットでアパレル販売員のキャリアを積む道もおすすめ
ということで、今回はアウトレットモールの中にあるアパレル店舗の仕事についてご説明しました。
セール時期は戦場のようになるアウトレットのお仕事ですが、基本的には一年を通せば結構のんびりしています。かといって、給料は同じブランドのレギュラー店舗と変わらないので、立地的に問題なければぜひオススメしたいところです。
なお、アウトレットに関しては本社での採用+人材会社からの採用を並行して行なっている場合が多いです。私が働いていた2社(セレクトとSPA)ではリクナビとかのサイトよりも、スタッフブリッジ経由で面接するスタッフがほとんどでした。なぜか業界的にはアウトレットの採用=スタッフブリッジな感じで、アウトレットで働くならぜひ利用したいところです。
もちろん、公式サイトなどで募集している場合もあるので、合わせてチェックしてみてください。