雨が多い街だね-アパレル販売員からの転職者が書くブログ-

元アパレル販売員で今は転職してアパレル業界の中の人をやっている著者がファッションと関係することや関係しないことを書くブログです。

アパレル販売員のサービス残業が発生するまで。なぜ残業が多くなるのかを考えた

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。

今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。

ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

アパレル店舗で横行しているサービス残業

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アパレル販売員の仕事とは切っても切り離せないのがサービス残業です。

私は大手セレクトショップとファストファッション系のSPAブランドで合計10年ほどアパレル販売員をやっていましたが、そのどちらにもサービス残業は存在しました。セレクトショップ時代は最も多い時期で月に50時間ほど。ファスト系のブランドだと月80時間を越えるサービス残業を経験したことがあります。

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アパレル販売員がクレジットカード審査に通らない・落ちる問題

当サイトの人気記事

 

年収300万円ですら勝ち組に入るアパレル販売員の世界

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私はアパレル販売員として10年ほど勤めたあとに転職し、現在は広告代理店でアパレル業界とゆるく繋がりながら働いています。

アパレル時代の最終キャリアは、某大手ファストファッションブランドの副店長でしたが、年収は30歳を過ぎているのに約300万円でした。しかも、この年収300万円と言うのは、激務と引き換えに副店長になったタイミングで、役職手当が付いたことで、なんとか得られるようになった年収です。

それまでのヒラ時代は、20代後半にも関わらず250万円にも届かないぐらいでした。月給ベースで考えると、額面で約20万円、手取りは16~17万円程度。当然ボーナスはなし!

同世代の平均年収は400万円を軽く超えてくるので、これは相当低い金額です。実際に、異業種の人がこの年収金額を聞くと「なんてひどい給料なんだ…」と同情されるかもしれません。ただ、同じようにアパレルで働いている人にとっては「うん、そのぐらいだよね」と言う感じかと思います。なんなら中小のブランドに勤めている人にとっては「300万円もらえるの?さすが大手!」と言う反応があっても不思議ではありません(よね?)。

つまり、アパレル業界と言うのはそう言う世界な訳です。

 

年収は低いけど欲しいものが沢山のアパレル販売員

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そんな低年収のアパレル販売の仕事ですが、じゃあ私は少ない給料の中で上手く節約しながら生活していたかと言うと、これがそうでもない 笑

かつての私への自戒も込めて言うのですが、アパレルで働いている人間は、まあ金遣いが荒いんです 笑

だって、考えてもみてください?ファッションや洋服って言う、お金の掛かる趣味の筆頭に入るようなものが好きでしょうがない人種がこの業界にいるわけですよ。もう、普段から欲しいものがあってしょうがないんです。

 

ファッション以外の趣味があるアパレル販売員は更にツライぜ…

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服にお金を使うだけではなく、それ以外の趣味も持っている場合は最悪です。まあ私なんですが。

私の場合は、まずファッション関連の消費で言えばスニーカーが最もヒドかったです。買っても履かないものも含めてスニーカーを収集していました。そして、私の不幸はそれだけじゃなかった 笑

もう一つ私には読書と言う趣味があって、ここに掛かる経費もバカにならないんです。最近はめっきり読書量も減りましたが、当時は多読家だったので、小説を週に2,3冊は読んでいました。文庫本ならまだ安上がりですが、ハードカバーだと一冊1500円ぐらいはしますし、まだ読み終わってないうちから、次々と本を買う「積ん読」癖もあったので、月に2万円ぐらいは飛んでいたかと。

それ以外にも、長期休暇になれば一人旅に行ったり、大枚叩いてチャリンコを買ってみたりと、興味の赴くままにやりたい放題です。これでパチンコか競馬でもやっていたら破産確定だったのですが、ギャンブルには一切興味が無いことだけが唯一の救いでした 笑

あとは、良いのか悪いのかプライベートで付き合う友人はあまり居なかったので、食費などの交際費はかなり少なめだったのも、なんとか浪費しながらも生きてこれた要因です。

 

コスメ、ネイル…アパレル女子の場合は美容に掛かる金額がツライ

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女性販売員の場合でも、ファッション以外の趣味を持っていて、そちらにお金が掛かると言う人は多いでしょう。ただ、男性と圧倒的に違うのは、女子の場合はコスメやネイルなどの美容にまつわる諸々の金額が必要経費として掛かってくることです。

 

これは、以前ネット上で話題になったライターのトイアンナさんのツイートですが… 

 

これは普段あまり美容にお金を掛けないトイアンナさんが「友人に聞いたらこれだけ掛けていると聞いてビックリした」と言う、あえて極端な例を挙げたような意図のツイートでしたが、少なからず世の男性に衝撃を与えたのでした。(ちなみに私の奥さんに見せたら「これは意識が高すぎる女子か、美容マニアの類だ」と薄化粧で仰っておりました)

私が読書だ自転車だと言って散財している横で、女性は美容にお金をせっせと使っていたわけです。しかもアパレル販売員は常にお客様の憧れでいることが要求される職業であり、一般の女性よりも美容に対する努力が必要でもありますよね。薄給でこれらの出費は痛い…。

  

幸か不幸か社割で好きな服が買えてしまうからこそ自制心が試される

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しかも社割で服が買えるものだから、セレクトショップとかに勤めていると、自分の大好きなインポートがガンガン入荷しては30%・40%引きとかで買えてしまう。たまに、店頭に並ぶ前に社割で完売する商品とかありましたからね 笑

よくアパレル販売員の貧困が語られるときに「店の服を買わなければいけないから、ただでさえ低い給料がさらに減っていく」と言うものがありますが、これは半分正解で半分間違いだと私は思っていまして。

 

アパレル販売員は好き好んで店の服を買うことも…ある

私はセレクトショップに勤めていたときは、自分の欲しい服と店で扱う服がかなり被っていたので、むしろ「安く買えてラッキー」と言う感覚が強かったです。逆に、ファストファッションブランドに勤めていたときは、普段は着ないけど店頭で着用するために買っている意味合いが強かったです。

まあ、どちらにしてもお金が無くなることには変わりはありませんが 笑 ステレオタイプな<貧乏な販売員像>が各所で語られることには少し違和感があったので、書かせていただきました。むしろ、上司から購入を強制されることってこのご時世のコンプラ的には稀な話で、自ら好んで社販してる販売員も沢山いるよ、と言う話でした。「分かる分かる」と言う人も多かろうと思いますが、まあここは自制心の勝負でもありますね 笑

 

さて、とても長い前置きを経て今日の本題のクレジットカードの審査のお話です。

 

今日の本題。アパレル販売員がクレジットカード審査に通らない・落ちる問題

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社会人であれば、大抵の人がクレジットカードを持っているかと思います。

私の場合は少し特殊でして。新卒で入社した某セレクトショップがクレジットカード会社と提携していたため、入社と同時に自社のロゴが入ったそこのクレジットカードを貸与されると言う、ちょっと特殊な環境でした。なので、社会人になったと同時にクレジットカードを持ち始めました。

実際にクレカを持つと、確かに便利だなと思う場面が多いものです。

何か予定外にお金が必要になったときに、銀行にお金を降ろしに行くのが難しい状況だったりしたときなんて特に。

 

転職を機にクレジットカードなしの生活をしてみた

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ただ、そのブランドを辞めたときに、そのクレジットカードは無効化されてしまいます。その後、ファストファッションブランドに移ってからは、しばらくクレジットカードを持っていない状態が続きました。無けりゃ無いで、別に生活に致命的な支障が出るわけではなく、普通に暮らしていたのですが、そこは元来めんどくさがりな私です 笑

「しょっちゅう銀行に降ろしに行くのが面倒くさい」「ネットでの買い物がとにかく不便」「後輩とご飯に行ったときにカードで払う方が格好いい気がする(←バカ)」と言った気持ちがふつふつと湧いてきました。

そして転職から2年ほど経って、私は久しぶりにクレジットカードを作ろうかなと思い立ったのでした。今度は会社から無条件に支給されるものでなく、自力で。

 

いざクレジットカードを作ろうとするも…審査に通らない!

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ただ、ここから実際にクレカを作るまでが意外と長かった。

と言うのも、その時の私は雇用形態も契約社員で、年収は200万円台前半。このスペックだと、なかなかクレジットカードの審査に通らないのですね。

さすがにいきなりゴールドカードを作ろうなどとは思ってはいなかったのですが、周囲の20代中盤の友人が普通に持っている、普通のステータスのクレカ審査にもバンバン落ちます

特に過去のクレジットカード支払いや、携帯電話の料金などで滞納をしたことは無かったので、これは純粋に自分の社会的評価、と言って間違いないものです。まあ、2017年現在とその当時では、少し状況が変わっているかもなのですが「この仕事は社会的信用がそんなに低いのか!」と嘆いたものです。

 

と言うことで私は、年収200万円台前半の契約社員でも作れるクレジットカードを探す旅に出ることになるのでした 笑

 

引用:クレジットカード職業別信用度格付けランキング

※最上級を超SA、最下位を特Fとして21段階に分けています※

【超SA】 医師(国立)、国家公務員(キャリア)、検事、裁判官、日銀、大学教授(国立)

【特SA】 国家公務員、地方公務員、教員(公立)、医師(開業医)

【SA】 弁護士(ボス弁)、公認会計士(4大監査法人)、日経225役員

【A1】 外郭団体職員、パイロット、医師(勤務医)、弁護士(パートナー)

【A2】 公益法人職員、信用保証協会、公認会計士(中堅監査法人)、東証1部企業役員

【A3】 独立行政法人職員、弁護士、公認会計士、弁理士、東証1部インフラ

【B1】 大学教授(私立)、JA、労働金庫、全労済、税理士、日経225社員、その他上場企業役員

【B2】 教員(私立)、弁護士(イソ弁)、国会議員

【B3】 不動産鑑士、薬剤師、歯科医師、住職(檀家500以上)

【C1】 司法書士、都道府県会議員、東証1部社員、非上場大企業社員

【C2】 一級建築士、獣医師、教員(専門学校)、市町村会議員

【C3】 パイロット(LCC)、中小企業役員

【C4】 その他上場企業社員、看護師、行政書士

【D1】 その他非上場中小企業社員、自営業者、理容師、美容師、大学生(大学生は「親がいるから」と考えられるので意外に信用度は高い)

【D2】 塗装工、板金工、整備工、配管工、溶接工

【E1】 小売、先物、アパレル、不動産販売、農家

【E2】 警備員、清掃員(民間)、販売員、保険外交員

【E3】 大工、介護、漁師、塾・予備校講師

【F】 契約社員、タクシー運転手、芸能人、土木作業員

【F1】 フリーター、バイト、日雇い、期間工、新聞勧誘員

【特F】 無職(ニート含む)

 引用元:クレジットカードの口コミ.com

 

ここで一旦、予備知識を。よそのサイトに掲載されていた職業別信用度なる表を転載しました。

これを見ると、アパレル販売員の属性と言うのがいかに信用度が低いかと言うのが分かりますね。【E1】の"アパレル"と言うのはアパレルの内勤、いわゆる本社勤務のスタッフですね。販売員は、さらにその下の【E2】です。

薄給激務のブラック仕事として、何かとアパレル販売員と一緒に語られがちな美容師さんよりもずっと下なわけです。

私の場合はここに契約社員と言う雇用形態の問題があったので、そりゃ審査に通らないです 笑

 

ワラにもすがる思いで楽天カードを申し込んだら審査に通った

世の中には、今の自分でも審査が通るクレジットカードは存在しないんじゃなかろうか…と思っていたのですが、ある日テレビのCMを見て「これじゃん!」と思ったのが楽天カードなのでした。

 

>>楽天カード

 

それまでの私はいわゆる信販系のカードを中心に審査に挑戦していたのですが、これはなんとなく自分の中で「こっちの方が大人っぽい」と言うだけの理由でした(←バカ)。

でも、実際に自分の消費行動を考えると、ファッション関連を含めて、食料以外の買い物のほとんどをamazonと楽天で済ませるぐらい、私は楽天のコアユーザーだったんですよね。多分その時点でダイヤモンド会員か何かになっていたような。

と言うか、なんで最初からこの選択肢を考えなかったのか…。

ちょっと格好悪いイメージもある楽天カードですが、単純にポイントが付くんだったらそっちの方が生活が楽になると思えば、躊躇する必要もなし。私は前向きな気持ちで楽天カードを申し込み、審査にもなんなく通り、数日後には手元にクレジットカードが届いたのでした。まあ楽天カードは大抵の人は通りますね。

ちなみに、そこから5年以上経ちますが、未だに楽天カードは私の主力のクレジットカードです。ネットの買い物などは基本的にすべて楽天カードで済ませています。格好悪かろうがなんだろうが、結局一番得なのは楽天カード。って言うのは定説ですが、本当にそれです。

て言うか、人前でカードを見せびらかすことなんてないんだから、極論、どこのクレジットカード使をってても、ステータスも何も関係無いって言うのが30歳を過ぎた私の現段階の結論です。お金持ちの社長さんで楽天カードを使ってる人も見たことありますし。

 

ありがとう楽天カードマン!

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その後は念願のゴールドカードも作った

私は結局楽天カードと言う、何の面白みもない超絶ベタな選択肢で、無事にクレジットカードを手に入れたのですが、その後、副店長になったタイミングで、これも超定番の三井住友VISAカードのゴールドを作りました。

ほとんどありませんが、たまーにどうしても楽天カードを出しづらいとき(貧乏を隠さないといけないとき  笑)は、そちらを使っています。

まあ、さっき言ったように主力は楽天カードであることに変わりはなく、結局楽天カードが最強って言う結論にはなりますが。。

それでは今日はこのあたりで。

 

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誰がアパレルを殺すのか:感想・書評・要約 ~古い慣習にしばられた業界を救うのは誰?~

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ベストセラーになっている『誰がアパレルを殺すのか』(日経BP社)を読了しました。

アパレル業界全体が不振にあえいでいる中で、私も業界内で働く者としてアパレル再興のヒントが何か得られればと思いながら一気に読んでしまいました。

 

『誰がアパレルを殺すのか』の概要

アパレル業界がかつてない不振にあえいでいる。オンワードホールディングス、ワールド、TSIホールディングス、三陽商会という業界を代表する大手アパレル4社の売上高は激減。
店舗の閉鎖やブランドの撤退も相次いでいる。またアパレル業界と歩みをともにしてきた百貨店業界も、地方や郊外を中心に店舗閉鎖が続き、「洋服が売れない」事態は深刻さを増している。
なぜ突如、業界は不振に見舞われたのか。経済誌「日経ビジネス」の記者が、アパレル産業を構成するサプライチェーンのすべてをくまなく取材した。
(中略)

【登場する企業】
オンワードホールディングス/ワールド/TSIホールディングス/三陽商会/ファーストリテイリング/ストライプインターナショナル/GAP/H&M/三越伊勢丹ホールディングス/大丸松坂屋百貨店/高島屋/そごう・西武 など

amazon紹介文より引用 

 

『誰がアパレルを殺すのか』は、ざっくりと要約すると、以下のような構成になっています。

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ブランド服の買取。高く楽に売るにはメルカリより宅配買取がずっと良かった件

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メルカリに消耗してもうたんや…

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 皆さん、家の中にある服を処分するときってどうしてますか? 

恐らく最も多いのは 

  • メルカリやヤフオクで売る
  • コメ兵・KIND・2ndストリートなどのブランド買取店に持ち込む
  • 捨てる

のどれかではないかと思います。

私も、以前はメルカリでいらない服を売っていたのですが、あれって色々面倒くさいですよね?マナーの悪いユーザーの相手をすることだったり、梱包発送の手間だったり。送料も含めたら、手間の割に大した金額にならないですし。

そのあたりの手間と金額のことを考えて、最近は宅配買取サービスを使うようにしています。

結論、今のところブランド服を売るならこの手のサービスがベストじゃないかなという風に思っています。

  

と言うことで、今回は服の宅配買取サービスを初めて使ってみたら、メルカリよりもずっと良かった件について紹介します。

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アパレルショップ店員が求められるタレント化とSNS活用の話

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

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ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

 

つい先日、こんなニュースがありました。

 

「セシルマクビー」が人気スタッフによるフリーマガジンを配布開始

 

ジャパンイマジネーションの「セシルマクビー(CECIL MCBEE)」はCECIL DOLLsによるフリーマガジン「CECIL DOLLs PRESS vol.1」を6月2日から「セシルマクビー」全店舗で配布する。

 CECIL DOLLsは各エリアの店舗スタッフから人気メンバーを選抜し、ブランドスタッフの代表としてエンターテイメント業界とのコラボや雑誌・TV出演などを担う11人のユニット。

 

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出典:WWD JAPAN

 

セシルの客層など考えれば、今回の企画に需要があることは想像に難くありませんが、面白い試みだなあと思ったのでした。

カリスマ店員という言葉が、カリスマ美容師と共に流行語になったのはもう遥か昔ですが、ここ数年のアパレルブランドの戦略として、販売員のタレント化、身近なアイドル化って言うのも一つの流れですね。私の読みとしては、その背景には、インスタをはじめとしたSNSの普及で手軽に自己プロデュース&情報発信ができるようになったって言うのがあるのではないかと思ったりします。

 

かつては面倒くさい役割代表だった店舗のWEB担当もしくはブログ担当

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思い起こせば、私が販売員をやっていた頃も各ブランドが、本社でなく店舗発信でウェブから情報を出していこうぜ、みたいな流れはありましたね。まあ、これは単純に本社のWEB担当やプレスだけで情報発信するよりも、店舗に仕事を振って数で攻めた方が効率的って言うだけの話だったりもするわけですが。

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売れないアパレル業界で10年以上働いていてリアルに感じる流れ

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

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今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。

ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

 

店舗閉鎖、倒産危機…落ちていくブランドが続々と

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私は10年弱、販売員を続けたのちに、今は広告代理店でアパレル企業と深く関わっているため、アパレル業界に長く身を置いていることになります。

「アパレル業界がヤバイ」と言うのは、私が働き始めたころからずっと言われていることでした。もはや、その言葉を聞きすぎて何も感じなくなってしまってるぐらい、アパレル業界の人間にとっては耳タコな話題です。

ただ、最近は代理店の立場で各ブランドの担当者と話をしても「崖っぷちに近い」「これから2,3年が勝負」と言った言葉を頻繁に耳にします。どこか対岸の火事と思っていた私も、さすがにこれは…と思ったのでした。 

お洒落にお金を使う時代では無くなっている

日本に多くのファストファッションブランドが出店を強めたゼロ年代中盤から、日本人のファッションへの感覚が変わったように感じます。H&Mが黒船、なんて言われてましたけどまさにその通りで。

ただ、その頃はファストファッションって「安い割におしゃれ」「ファスト系の洋服はコーディネートの目立たない場所に使う」と言う認識だったのですが、今はそんな時代ですら無くなっています。

ユニクロとGUが、ファミリー層だけでなく全年齢層に勢力を強めて来ていることがその要因かなと思っていて。

実際、最近でもルメール、ジルサンダー、カウズとのコラボとか、GUのイメージ戦略とか、感度の高い層への訴求が本当に上手いんですよね。カウズのTシャツを近所のおばちゃんが着てるとかマジかよって思いますが 笑

一昔前のユニクロのと言えば、「安いけどダサい」「家着にフリースやヒートテックを買うぐらい」など、ファッション用途での使用には耐えられないと言う認識が一般的でした。ユニバレ=自分の着ている服がユニクロとバレてしまう。という言葉があったように、普段着としてユニクロを着ていること=恥ずかしい。と言う感覚でした。

それが、今やメンズ・レディース問わずファッション雑誌の表紙には「ユニクロで賢くお洒落」「プチプラアイテムで1週間着回しコーデ」など、コーディネートの主役はファストファッションになっています。

実は私自身もいわゆるファストファッションブランドとして括られるブランドのうちの一つで勤務していたことがあるのですが、入社した当時よりも退職した数年後の方が、明らかにお店にファッション感度の高いお客様が増えた感がありました。

安く済ませるため、ではなく外出時のお洒落着としてファストファッションブランドを選ぶ。そんな選択肢がファッショニスタの間ですらアリになっていることを肌で感じていたのです。

それは、日本人の中で「おしゃれ」って言うものに対する考え方が変わっていることにも起因するのではないかと思います。いわゆる、ノームコア的な考え方です。

 

断捨離ブーム、ノームコアブーム…時代はシンプルを求めている

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日本が経済的に貧しくなって格差社会が広がっている、などの社会的背景も当然ありながらも、そもそも世界的にファッションの好みがどんどんシンプルな方向に行っているのがデカイです。

ノームコアという言葉が持て囃されたのは2010年代前半ですが、「ファッションで頑張りすぎない」「ライフスタイルの中に溶け込むファッションを」「不要なものは断捨離を」と言う感覚は、今も確実にお客様の中にあります。

実際、私も休日は白T・デニム・ニューバランス・黒縁メガネ・ベースボールキャップって言う、ノームコア・サードウェーブ男子の典型例みたいな格好をしてる時が結構多いです 笑

「シンプルな服装で格好つけすぎないぐらいが丁度いい」って言う感覚は、アパレル業界でずっと働いている私ですら、ここ数年は強く持っているのです。

 

それでも、裏原系ブームやセレクトショップ全盛の時代を過ごした私としては、<ブランド>と言う価値に対してお金を払うこと、<どこで買うか>を一つのステータスと考える感覚がまだ残っているのですが、恐らく今はその感覚こそダサいものになっているのではないかと感じます。この感覚の違いって、あまり言語化されていないのですが、30代以上のファッション好きならなんとなく分かってもらえるんじゃないかなーと思います。

実際、私も前までよりも服にお金を使わなくなってます。仕事のキャリアアップとともに、経済的にはそれなりに豊かになっているにも関わらず、です。

 

ただ、安くすりゃブランドが成功するって言うわけでないのも事実 。

最近だと、オールドネイビーの日本撤退のニュースが最たる例でしょう。オールドネイビーの洋服が受け入れられなかった、と言うわけではなく、値引き競争でブランド自体が短期間で一気に消耗していったと言うのが、要因と考えられます。

お客様が安いものを求めている=値引きすれば儲かる。と言うわけではないのが、ビジネスの難しいところで、ここで日本中のブランドが悩んでいます。

 

勝ち組・負け組の格差が顕著化する流れ

 

「強いものがさらに強くなり、弱いものは淘汰される。この傾向がさらに進む」。伊藤忠商事の小関秀一代表取締役専務執行役員繊維カンパニープレジデントは、今年の繊維・ファッション業界をこう予測する

 参照:fashionsnap.com

 

これは2017年初頭の業界予測ですが、間違いないです。売れるブランド・売れないブランドがハッキリと別れていく流れは止められません。

これはアパレル業界だけでなくすべての業界の流れですが、ネットで情報を得られるようになる中で、消費者の趣味趣向が画一的ではなくなっています。音楽業界でもテレビ業界でも「みんなが知ってるヒット作」はなくなりました。アパレルも同じことです。

 

であれば、生き残るのは、圧倒的資本力と数の力で押し切る大手か、ニッチだけどオリジナルな商品・戦略をもって戦えるベンチャー的思考を持った中小になってくるでしょう。ありきたりな言い回しですが、価格だけでない付加価値をどうやって付けて提供するのか?が問われる時代です。

 

 

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アパレル店舗ではBGMもブランディングの一環。とりあえずのBGMはいらない

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アパレル販売員の方は、自分の働いている店舗のBGMって気にしてますか?

お店に行くと各店舗で様々な音楽が流れています。たまにお客様に「この曲ってなんて言う曲ですか?」って聞かれるって言うのは、アパレル販売員のあるあるの一つかもしれません。

 

※今回の記事ではJASRACが云々と言う話は主題から外れるので一旦、権利関係の話は抜きにして書きます。

 

アパレル店舗におけるBGMの重要性

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居心地のよい空間作りに

オーディオのトラブルなどで店舗が無音になった経験がある人は分かるかもしれませんが、無音だととにかく接客がしづらいです。特に狭い店舗で無音になってしまうと、スタッフの「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と言う声だけが響くような状況になってしまって、お客様に無用な緊張を強いることになり、明らかにお客様の滞在時間が短くなります。

このように、お客様のために居心地の良い空間作りを行うのがBGMの最も大切な役割です。

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アパレルから事務職に転職したい女子の必勝ルートを説明します。面接で答えるべき転職理由・自己PR・そして強みとは。

 

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、今やアパレル業界は飲食店と同じぐらいのペースで倒産する企業が増え続けています。数ヶ月後には多くの有名ブランドも転換期を迎えることが確実(みなさんの上司は本当のことを教えてくれていますか?今は耐えて5月から巻き返すとか夢みたいなこと言ってませんか?)。

奇跡的に生き残れたブランドも、リアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。販売員という職業に用意された席が業界全体で激減する中で、「販売員を続ける」という選択肢は限りなくゼロになっています。

この記事に書いている「アパレル以外への転職」という内容がさらに現実味を帯びてきたとともに、一部、古い情報になってしまっている部分もあると感じています。

ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

 

更新日:20.04.19

アパレルから事務職へ転職したいけれど…

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アパレル販売などの接客業からの転職を考える女性にとって、転職先の最有力候補になるのが事務職への転職です。

女性にとっては、土日に休めず体力的にもきついアパレルの仕事をいつまで続けるのか?と言うのは結婚・出産も含めた今後の人生を考える上でも大きな悩みの種と言えます。ましてや、コロナウイルスの影響で接客業自体の安全性に疑問符がつく昨今では、正直「アパレル販売はオワコンかも」と思ってしまうかもしれませんね。というか私は思ってます・

 

アパレル販売を辞めたいと思っている人は、接客業のハードな仕事に嫌気が差しちゃってる部分もありつつ、でもこれまで自分が頑張ってきた経験も否定したくないっていう二つの気持ちを同時に持ってるんじゃないでしょうか。

なんでそう思うかというと、私も同じだったからです。

私は男性ですが、やはり体力面・給与面の不安から、結婚を機に、アパレルから平日休みのデスクワークに転職しました。また、私の妻もアパレル販売員を新卒から3年ほど続けていましたが、接客業から足を洗って、アパレル事務に転職をしました。

 

転職活動を始める前は、私も妻も、未経験の事内容を今から身に着けられるのか?そもそも面接を受けても採用されるのか?と言う不安がありました。

 

しかし、実際に転職活動を開始すると、

・アパレルで得たスキルが事務職でも大きな武器になること。

・未経験の職種に転職するのは難しくないこと。

が分かりました。 

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アパレル新卒面接の志望動機を考えるためのヒントを教えたる

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アパレルの新卒面接で必ず聞かれる志望動機

 

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新卒の面接で必ず聞かれるのが志望動機です。アパレル業界においてもこれは例外ではありません。 

私は新卒時代に某セレクトショップに入社しましたが、競争率は100倍近くあったそうです。正直、たまたま想定してた質問が来たとかの運もあったのですが、それでも若かりし頃の自分なりに色々考えて面接の受け答えをした結果だったのだと思います。

その後数年間働いてから、他ブランドに転職する際はいくつかのブランドを同時期に受けましたが、すべてのブランドで内定をもらいました。また、転職で入社したブランドでは副店長として、店舗に入社する中途採用のスタッフの面接官も行っていました。

そんな私の経験から、面接での志望動機をどうやって考えるのか?と言うヒントになりそうなアイデア発想方法をいくつかご紹介します。

アパレル以外の業種でも絶対に共通する考え方なので、すべての新卒の皆さんの参考になればと思います。 

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アパレル販売員を一生の仕事にしたい人が確認すべき3つのポイント

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容は古い情報になってしまったと感じています。

ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

アパレル販売員は一生続けられない?そんな不安を持つ人のために 

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アパレル販売員にとっては30歳前後が一つの分岐点です。30代になると体力的な面で無理がきかなくなること、給与面での不安、土日や祝日に休みが取れないことなどが主な原因ですが、かく言う私も30代になってから、上記の理由で土日休みの異業種に転職をしました。

ただ、中には「30代・40代でも接客の道をずっと極めていきたい」「アパレル販売を一生の仕事にしたい」「て言うか体力とか全然余裕」と言うパワフルな販売員も沢山います。中には「店長・副店長なんか頼まれてもやりたくない。とにかくずっと接客をしていたい」と言う生粋のセールスパーソンも。

店長へキャリアアップしたり、ブランド本社のジョブに就く。それは確かにアパレルでは王道の出世ルートです。でも、その道に興味が無い人、販売員を一生の仕事にしてこの道を極めたいと思っている人は、どうやってキャリアアップを図ればいいのでしょうか?

一生販売員をやっていきたい人の考えの一助になるように考えてみました。

 

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VMDの仕事のやりがいや厳しさとは?大手アパレルブランドのVMD経験者が解説!

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アパレルショップの仕事でVMDが一番好き!

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私はもともと、アパレル販売の仕事を10年ほどしていました。 キャリアとしては、全国展開の某セレクトショップでヒラとして、ファストファッション系のSPAブランドでは店舗付きVMDメインで副店長として勤務しました。

当時を思い出せば、アパレル販売の仕事は多岐にわたりますが、私はダントツでVMDの仕事が好きでした。

ただ、販売員の中には「接客は得意だけどVMDは苦手」といった人も多いです(もちろんその逆もありますが)。特に、昇進や配置換えなどで、ある日急に「じゃあ今度からVMDもやってね」と上司から告げられて、絶望に陥った経験のある人も多いのではないしょうか 笑

 

今回は、私がVMDをやっていたときのことを思い出しつつ、これからアパレルVMDの道を歩む初心者さんや、スキルアップに悩んでいる経験者の方向けに、ネットでは情報を得にくいVMDの仕事内容について解説できればと思います。

具体的なスキルアップ方法や作例などは他に譲るとして、この仕事のやりがいや厳しさなどを、経験者の立場から説明します。

なお、前述したように私はアパレルのセレクトショップ(たぶん皆さん一回は入店したことがある程度には有名です)、ファスト系ブランド(こちらも同じく)の2ブランドの経験から語ります。つまり、商品数もフロア面積もでかいブランドのVMDであることを前提でご覧ください。

とはいえ、ラグジュアリーブランドであろうと、化粧品屋であろうと、スーパーマーケットであろうと、VMDの基礎は同じなので、もし他分野のVMDをされている方でこのページにたどり着いた方も参考になるんじゃないかと思います。

 

アパレル販売員なら分かっておきたいVMDとは何か

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まずは基本中の基本であるVMDという言葉の意味や定義から入りましょう。

 

VMDの意味

VMDはVisual Merchandising(ヴィジュアルマーチャンダイジング)の略です。マーチャンダイジングというのは、日本語に直訳すれば「商品計画」となりますが、ここは広義の販売促進だと捉えれば問題ないです。

つまり、VMDとは視覚的な面からの販促を意味します。

店舗においては、ショーウインドウ作成、ディスプレイ作成、什器のソーニング、商品の陳列などを行って、お店の売上をアップしていきます。

もちろん、売上をアップさせるためには、VMD変更を行ったことでどのように数字が変化したのか?を見ながらPDCAを回していく必要があります。

 

本社VMDと店舗付VMD

VMD職といっても幅広く、ブランド全体のヴィジュアルや打ち出し商品の方向性を決める本社VMDと、本社から落ちてきたVMD指針を店舗で表現する店舗付きVMDに分かれます。

世のアパレル業界人で、人数として圧倒的に多いのは後者の店舗付きVMD。今回は、主にこの店舗付きVMDのお話をしていきます。

 

店舗付VMD担当とは

所属スタッフ数が10人を越えるぐらいの中規模以上のアパレル店舗では、店舗内の各業務に対して担当制を敷くことが多いです。ストック担当、インポート担当、SNS担当などなど。

そのうちの一つに、VMD担当またはレイアウト担当があります(この二つは基本的に同じ意味で使われることが多いため、当記事では表記をVMD担当で統一します)。

VMDは商品知識・ヴィジュアルセンス・数値管理能力などが必要とされるため、暦の長いスタッフや店長・副店長クラスが行うことがほとんど。新人や中堅がアシスタントとして付くことも多いです。

ちなみにVMDというと、ディスプレイやウインドウの作成など、美的感覚が最も必要な職種と思われがちですが、一般的なアパレルブランドの店舗付きVMDにとっては、売上をあげるためのアクションの立案だったり、数値管理能力が最も求められます。

このあたり、アパレルで働いたことがない人が適当に書いているネット情報では、ちゃんと説明されていないので注意してください。 

 

さらに余談。VMD用語は勝手に覚えます

「VMD」ってググったら出てくるサイトでは、なぜか判を押したように「VP」「PP」「IP」という用語の説明が、やたら丁寧に書かれているのが不思議でしょうがないです。

そりゃ代表的なVMD用語ではありますが、そんなに大切ですかね?ていうか、VP/PP/IPなんて、知らなくても仕事上はまったく困りません。だって使わないから。

普段店舗で働いてて、スタッフ同士で「VPがどうたらこうたら」なんて話さないですよね。「ウインドウ」で通じます。「PPが」じゃなくて「フェイスアウトが」とか「ディスプレイが」でいいですよね。

VMD用語で最低限知っておけばいいのは

  • フェイスアウト
  • スリーブアウト
  • ボディ
  • トルソー
  • ゴールデンスペース
  • 三角構成

ぐらいじゃないですか?他は、やってるうちに勝手に覚えます。

あと、この手の用語はブランドによってローカルな呼び方があるから、覚えても意味がないです 笑

 

VMDの仕事のやりがい

VMDの魅力にはまった人なら頷いてもらえるであろう、この仕事のやりがいを解説します。

 

数字に直結。個人のスキルやひらめき次第で接客以上に販売促進を行える

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私は完全にここに魅力を感じてVMDの仕事をしていました。

仮にフロアスタッフが5人いる店舗の、1日の売上が100万円だったとします。もしも一人が死ぬほど接客のスキルをあげて頑張ったとして、売上を110万円にすることはできても150万にするのは至難の業です。

でも、VMDがハマれば200万円にすることだってありえます。※もちろん、販売してくれるスタッフがいるからこそ、というのは前提として。

初売りを想像してもらえればわかりやすいですが、VMDは売り上げや客数の規模が大きくなればなるほど、影響力を増します。逆に、スタッフの人数を大きく越えるような来店があったとき、接客の影響力は低下します。

大きな売り上げを動かしたい、という気持ちを持っている人にとっては、VMD担当になることが近道といえます。

 

ディスプレイやウインドウなどを作るクリエイターとしての喜び

VMDといえば最初に浮かぶのが、ショーウインドウやディスプレイの作成です。

店頭接客とは全く違う、クリエイターとしての資質が問われる分野であり、時にはミリ単位の調整で完成度を上げていく、非常に細かい作業でもあります。

本社から落ちてくるサンプルを再現するだけなら、時間さえかければ誰でもできますが、その場にある商品やプロップを使って、アドリブで何かを作る作業は完全に創作です。ボディのコーディネートを考えるのだってそうです。

 

また、クリエイティビティが必要なのは、それらVP/PPだけではありません。

例えば什器のアイテム陳列も創作の一環です。

VMDの陳列例

陳列でリズムをつけた例


ちなみに、私はよく友人などから「VMDやってたから手先が器用なんでしょ?」と言われますが、めちゃくちゃ不器用です 笑

ここは経験者なら頷いていただけるかと思いますが、VMDは全般的に手先の器用さよりも空間把握能力の方が大切かなと思っています。「この配置は違和感がある」「ここの距離感が不自然」など、どこがどう間違っているのかを感じ取れないと、いくら手先が器用でも意味がありません。カラーセンスも同じくです。

VMDには絶対的な正解はなく、強いて言えば売り上げが取れるものが正解ではありますが「大多数の人が気持ちいいと感じる間の取り方」みたいなものは確かに存在するので、そこが理解できるかできないかが、大切じゃないかと思っています。

 

アパレルVMDの仕事の難しさ・辛いところ

ここからは逆に、VMDの辛いところについて。

楽しいばかりじゃないのはどの仕事でも同じですが、VMD特有の厳しさとはどんなところでしょうか?

 

売るVMDと魅せるVMDのバランス感覚が必要

上でクリエイター云々と書くことと相反してしまうのですが、VMD担当は芸術家ではありません。店舗やブランドの売り上げをあげるためのセールスパーソンです。あくまで目的は売り上げをあげることです。

もしかしたら、ラグジュアリーブランドやコレクションブランドの本社VMDなどであれば、アーティスト的な役割が期待されるかもしれませんが、大多数のブランドの店舗付きVMDはそうではありません。

 

VMDをやっていると「こうした方が売れる」という気持ちと「こうした方が格好いい(ブランディングを高められる)」という気持ちのせめぎ合いが必ず起こります。

これを経験したことがないVMDパーソンはいないはずです。

例えば、こんな経験はありませんか? 

  • シーズンコンセプトとずれたアイテムが売れているので、世界観を崩してでもエントランスで打ち出す必要がある。
  • ボディに強化アイテムを着せるために、ボディのコーディネートを妥協しないといけない。
  • セール期はディスプレイをすぐに崩されるので、棚上がスカスカになるけど何も置けない。

こういった「魅せる」と「売る」のバランスをいかに保つか?という点が、非常に難しいと感じるでしょう。多くの場合は店長や本社VMDなどの判断を仰ぐことになりますが、自分で判断しなければいけない場面も多々あります。

 

VMDの仕事にはクオリティとスピードのバランス感覚が必要

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上の件とも関係しますが、レイアウト変更は限られた時間の中で行う必要があるため、スピードが命です。

しかし、当然ながら同時にクオリティが求められます。

アイデアを瞬時に考えつく発想力と、VMD変更を時間内に終わらせるスピード感がの両方を身につけるためには、やはり経験が必要です。

「どうしようかな」と考える時間を極力減らして、考えながら手を動かさないといけません。

アシスタントがつくようになると、それに加えて「手を動かしながら指示を出す」という動きも必要になります。

 

本社VMDへのキャリアップが難しい

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店舗付きでやっているスタッフは、キャリアパスが「店長や副店長か、本社VMDか」という二択になります。

ただ、店長・副店長はお店全体のマネジメントが必要なため、VMDのことばかりをやれるわけではありません。私もこの点で悩みました。

本社VMDの場合は、どのブランドもキャリアパスが狭く、限られた人員しかそのポジションには就けません。やはりVMDを志す者であれば、ブランドの世界観を作り出せる本社VMDは憧れのポジションですが、そこに至る道の険しさに苦労する人が多いです。

今のブランドでの昇進が難しい場合は、本社のVMDアシスタントとして他ブランドに転職して本社スタッフに潜り込んでしまう 笑 という方法が最も現実的です。このあたりは、過去にVMDの求人の探し方についての記事でかなり詳しく解説したので、興味のある方はご覧ください。

rakka.hatenablog.jp

 

VMDの仕事は開店前・閉店後の作業がメインなので残業しがち

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店内のレイアウト変更が発生するVMD業務は、お客様の邪魔にならないようにお店の営業中には行えません(閑散期などであれば営業中に行うこともありますが、あまりよろしくはないですね)。

開店前の作業はオープン時間との戦い、閉店後の作業は終電との戦いが待っています 笑

先ほどの、クオリティとスピードのお話にも関係しますが、自分の残業を減らすためにも、スキルをつけないといけません。

 

大型SPAは深夜勤務でVMDチェンジすることも

SPAブランドなど、店舗の規模が大きいブランドでは、商品量が桁違いのため、深夜シフトが組まれることもあります。

深夜の作業は、それはそれで変なテンションになって楽しい面もありますが 笑 眠気と戦いながらのきつい作業です。私はSPAで働いているときは週に1回は深夜シフトが入っていたのですが、生活リズムが崩れっぱなしでした。

 

甘くはないけど販売とは全く違う楽しみがあるVMD担当の仕事

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VMDの仕事は、接客販売とはまったく違うスキルが必要な職務です。

厳しい面もありながら、ハマればその魅力にズブズブとはまってしまう仕事でもあります。

これからVMDを担当する人や、すでに経験をしている人など様々かと思いますが、ぜひVMD道を極めるべく邁進していただければ。

 

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更新日:18.11.10

アパレルを辞めたい!でも「辞めます」の一言がなかなか言えなかった…

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私は10年ほど続けたアパレルの仕事を辞めて、未経験のデスクワークに転職をしました。

アパレル時代は全国展開の大手セレクトショップに新卒で入社し、外資系のSPAブランドへ。役職は、店舗付きVMDを経て、最終的には旗艦店の副店長が最終キャリアです。

辞めた理由は、給与面や体力面、そして結婚という人生の転機になるタイミングで自分の人生を見つめなおすようになったからです。

ただ、実際に長く勤めた仕事を辞める、と言うのにはそれなりの勇気や決断が必要で、「仕事に疲れた」「辞めたい」と思うようになってからも、しばらく行動に移せずに悩んでいる時期がありました。

「信頼してくれている上司や同僚を裏切ることになるのではないか?」「自分が抜けたらお店が回らなくなるんじゃないか?「そもそも他の仕事にうまく就けないんじゃないか?」

など、慣れ親しんだ職場からの退職を引き留める、いくつかのモヤモとした迷いがありました。

 

でも、実際に転職をしてみた今となっては、当時のそんな悩みは大したことじゃ無かったと思えます(もちろん、今だからこそ、ですが)。

仲間からも気持ちよく送り出してもらたし、自分が辞めてもお店は回るし、転職活動も上手くいって給料的にも体力的にも、アパレル時代よりも恵まれた環境で働けています。

まあ、この手の大きな人生の転機には、極論、開き直りも必要で、うじうじと悩んでいる時間があるなら、少しでも早く行動に出た方がいいんですよね。自分の人生にとって、今の仕事を辞める方が幸せになれる、と思うのなら、行動すればいいだけなんです。

 

今回は、私の経験をもとに、アパレルを辞めたい人のパターン分析、円満退職のために必要な準備、アパレル販売員のおすすめの転職活動のやり方など、幅広く解説します。

かつての私と同じように、仕事を辞めたいけど辞められない人の背中を少しでも押せたらいいなと思います。

少し長めの記事ですが、お付き合いください。

 

アパレルを辞めたい人が退職するベストな時期とは?

アパレル業界を辞めたいと考える人にとってはどのタイミングで辞めるのか?退職の意思をいつまでに上司に報告するべきなのか?退職の理由をなんと言うのか?というのは、悩みがちなポイントです。

アパレル業界を少し離れて考えると、一般企業では新卒などが入社して人事異動などが多く発生する4月、半期が終了する10月を前に退職することが一般的です。

ただ、アパレル業界の場合は年度が4月始まりのブランドと言うのは少なく、どちらかと言えば店舗の売上=忙しさを基準に退職時期を考えるパターンが一般的です。

つまり、辞めたいと思っている人は、最もお店が暇な閑散期の退職を狙うのがベストと言えます。

 

アパレル業界の繁忙期と閑散期

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一般的にアパレル店舗の繁忙期はAW、SSでそれぞれ1回ずつ。計2回あります。

 

■アパレル業界の繁忙期

  • AW:12月~1月上旬
  • SS:6月~7月上旬

 

扱う商材によっても繁忙期がいつなのかは変わりますし、大型のショッピングモールに入っている店舗などの場合は、毎週土日が繁忙期って言いたい人も多いかと思いますが、アパレル業界の一般的なピークと言う意味ではこの2つで間違いありません。この時期の体の疲れは半端ないです。

 

逆にアパレル業界の閑散期はいつか?と言うと、これらの時期が過ぎた直後です。

 

■アパレル業界の閑散期

  • AW:1月下旬~2月
  • SS:7月下旬~8月 
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アパレル転職サイトのおすすめはここだ!販売員のキャリアアップ最短ルート解説

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。

今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「どうやって早く辞めるか」のフェーズなため)。

ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

アパレル販売員はかしこい転職でキャリアアップ

転職エージェントの女性

私は10年ほど続けたアパレル販売員から未経験の異業種に転職した時に、いくつかの転職サイトを利用しました。

アパレル販売員以外の仕事をしたことが無かったので、最初は転職活動と言っても何から始めればいいのか?と言うところからのスタートでした。パソコンスキルもほとんど無かったので、一般職に就けるのかなあと言う不安が大きかったです。

でも結果的には、転職サイトをうまく利用したことで、転職きっかけのキャリアアップがうまくいきました

 

この記事はこんな人におすすめ!

  • アパレルで働いていてて今よりも条件や環境のいいブランドに転職したい人
  • アパレルから異業種への転職を考えているけど、未経験の職種への転職が上手くいくか不安な人(かつての私パターン)
  • 転職サイトの中でもエージェントサービスに興味があるけど、使い方やメリットがイマイチよく分かってない人
  • どのアパレル転職サイトを使うと希望通りの転職ができるのか知りたい人

 

転職サイトって世の中に数えきれないぐらいの数があります。

実際に自分が転職サイトを使って転職活動をしていこうと思うと、結局どれを使ったらいいんだ?とりあえずリクナビネクストか?みたいになりがちです。

リクナビネクストは、転職人材業界の最大手ではあるので、確かにたくさんの求人が載っていますが、アパレル従事者が利用するのにベストかというと、そうでもありません。

この記事では「他のアパレルブランドに転職してキャリアアップしたい人」「アパレル業界から異業種に転職したい人」両方に向けて、おすすめの転職サイト、その中でも転職エージェントサービスについて、できるだけ分かりやすく解説できればと思います。

 

エージェントサービスは利用すれば絶対にメリットの方が大きいサービスですが、まだまだテレビや新聞で紹介されることは少なく、情報を得ようと思ってもネット上だけに限られているのが現状です。

結局、そもそも転職エージェントってどう言うサービスなのか?どうやって利用したらいいのか?どこの転職サイトに登録すればいいのか?ていうか怪しくないの?

など、疑問点を持っている人も多いかと思います。私も最初は友達になんとなく薦められるままに利用し始めたのですが、実際に使ってみると、これを知らないのは勿体ない!と思うぐらい、便利なサービス内容でした。

なので、上記のような疑問を持っている人に対して、私が実際に利用してみた経験談や感想を交えながら、「結局どうやって転職活動をして、どこの転職サイトを使うのがおすすめなんや!」という疑問に対して、全力で解説します。

 

この記事の内容を先にざっくりで説明すると

  • 一般的な転職サイトとエージェントサービス有の転職サイトの違い
  • そもそも転職エージェントサービスって何?基礎解説
  • 転職エージェントがなぜ無料で利用できるのか?ビジネスモデルの説明
  • 転職サイトを利用するメリット・デメリット
  • 転職エージェントを使っての転職に向いている人・向いていない人
  • 転職サイトの利用方法
  • 転職サイトを上手く使うコツ
  • アパレルで働く人におすすめの転職サイト

 

と言ったことについて書いています。

 

そもそも一般的な転職サイトとエージェントサービス有のサイトって何が違うの?

ここまで、「転職サイト」「転職エージェントサービス」という二つの言葉を使っていますが、この二つは似ているようで、実際には大きく異なります。

最初にざくっと説明をすると。。

一般的な転職サイト

いわゆる一般的なやつです 笑 リクナビネクストとかマイナビ転職とか。

求人情報がサイト内に載っており、自力で求人を検索して探し、エントリーをして選考を受けます。新卒採用などでもリクナビを使った方は多いと思いますが、システム的にはほぼ同じですね。

 

転職エージェントサービス有の転職サイト

このタイプのサイトも、広い意味では転職サイトの中の一部になりますが、一般的な転職サイトと違い、エージェントという担当者を介するサービスになります。

まずは転職サイトに登録をして、そこから担当のエージェントさんとざっくばらんに面談を行います。そこで自分の希望条件(年収、残業時間、休日日数、福利厚生など)を伝えて、あとはそれに合った求人があれば話を繋いでくれます。

それ以外にも、履歴書やエントリーシートの添削、年収交渉の代行、転職先企業の内部情報などを教えてくれます。面接の同行をするサイトもあります。

 

私は、主にこの転職エージェント有の転職サイトを利用したのですが、結論としては絶対に使った方がおすすめかなと思っています。

ということで、今回は私がおすすめする転職エージェントサービスが使える転職サイトについて解説していきます。

 

アパレルでも徐々に利用者が増えてい転職エージェントサービスとはそもそも何なのか?

転職エージェントスタッフ

 

転職エージェントは企業と転職者を繋ぐ仲介サービス

そもそも転職エージェントとは何かを簡単に言うと、スマホやパソコンから登録する転職支援サービスのことです。転職エージェントは、転職者と企業の間に入ってコンサルタントが無料で私たちに対して様々なお世話をしてくれます。

通常、自分一人で転職活動をしていると、何かと面倒なことや苦労することが多いのですが、そのあたりをサポートしてくれるサービスですね。イメージとしては、お見合いをお世話する仲人さんみたいなものです。

 

転職エージェントサービス有の転職サイト利用者数は年々増加

ここ数年で転職を考える人たちの間で定着した感のある転職エージェントですが、実際に利用者が急増しており、2017年現在では転職者の半分近くの人が、すでに利用経験があるそうです

 

転職エージェントを使って転職を実現した方が、大手3社合計で「2万4,013人」いて、前年同期比で「108.5%」と増加傾向にあります。

「25歳以下」の転職エージェント利用者が前年同期比で「125%」と増加していて、とくに若年層の利用者が増加していることが分かります。?

転職エージェントを利用した人の割合が33%から46%へ上昇。前年を上回る結果に

引用元:転職エージェント 評判.com

 

この数字は、実際に私の周囲の知人の利用率を考えても、今勤務している会社に転職してくる人の転職ルートを考えても、体感に近い印象です。特に都市部の利用者が多いです。

 

転職エージェントサービス有の転職サイトの定着はアパレル業界ではまだまだ遅れ気味

すでに転職者の多くが利用している転職エージェントサービスが利用できる転職サイトですが、アパレル業界での利用率はまだまだです。残念ながら、アパレルに絞った具体的な利用率の統計データは見つけられませんでしたが、定着しない理由としては以下のようなことが考えられるでしょうか。 

  • アパレル業界ではヘッドハンティング(引き抜き)の文化が強いため、転職サイト自体を利用せずに転職する人が多い。
  • 女性がメインの業界なので、キャリア志向を持ちにくいため(※女性の社会進出の話題は本題から外れるので今回のエントリーでは語りません)。
  • アパレルで働く人はネット上の情報に疎いため、ネット限定サービスである転職エージェントの利用率が低い。

ちょっと偏見っぽいですけど、私は3つ目が実は一番デカいんじゃないかと思っています。

アパレルで働いていると土日休みの一般職で働いている友人とは疎遠になりがちです。結果的に普段から付き合うのは同じアパレル業界の人間や、接客業・サービス業をしている友達。そうすると、どうしても世界が狭くなってしまいがちなんですよね。

アパレルに勤めている人は、ファッションやグルメの話には詳しいけど、いかんせんネットでの情報収集に弱い。インスタは大好きだけどグーグルを使って検索するのは苦手。いや、そんなこと無いよと言う人もいっぱいいるかと思いますが、10年アパレルで働いてきた私なりの見立てです。

 

アパレル販売員が転職サイトを利用する際の流れ

従来の転職活動と、転職エージェントサービス有の転職サイトを利用した転職活動では仕組みが全く違います。従来であれば、転職者であるあなたは企業に直接コンタクトを取ります。リクナビネクストなどの一般的な転職サイトを通じてエントリーを行う場合であっても、サイト内のメッセージ機能を通して企業側とやり取りをするだけで、あなた⇔企業と言うやり取りのルートは変わりません。

しかし、転職エージェントを利用した場合は、あなたと企業の間を転職エージェントが仲介します。

かなりざっくりとした流れとしては、以下のようになります。

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アパレルの年収・給料が低い問題と日本の平均年収の話

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。

今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。

ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

 

私がアパレル転職をした理由はやっぱり「年収・給料が低い」から

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私は10年間アパレル販売員をしていましたが、今は転職してアパレル企業をクライアントに持つ広告代理店でデスクワークの仕事をしています。

30歳を過ぎてから、長く続けていたアパレル店員からの転職を決断した最も大きな理由は、何と言っても年収・給料が低いこと。某ブランドで大型店の副店長をしていましたが、それでも年収は300万円台前半…。ボーナス無しで月の給料が30万円弱。結婚も控えている中で、この年収では金銭的に厳しく、転職を決断しました。

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