雨が多い街だね-アパレル販売員からの転職者が書くブログ-

元アパレル販売員で今は転職してアパレル業界の中の人をやっている著者がファッションと関係することや関係しないことを書くブログです。

2月はアパレル店舗の閑散期…雪の降る中で売れない春物を販売する辛さよ!

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。

今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。

ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

今年も販売員に天国と地獄を味合わせる季節がやって来た

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本州で雪の降ることもまだまだあり、寒い日が続いていますが皆さんいかがお過ごしでしょうか?

アパレル販売員にとっての2月はちょっと特殊な月です。他業種の人から見ると、忙しいセールが終わってノンビリ出来る時期なんじゃないの?と思われがちですが、実際はそうとも言い切れないんですよねー。や、確かに長期休暇が取れるのは1月後半~2月なので、ノンビリ出来るってのもあるんですが、閑散期には閑散期のツラさがあります。

と言うことで、アパレル販売員にとって天国と地獄が交差する月、2月ってどんな月なんでしょうか?

 

接客メインの販売員にとっては春物が売れなくて胃がキリキリする時期

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ゴーストタウン化する全国のショップ

 

接客業務をメインの職務としている販売員にとっては、2月はツラい時期です。なんと言っても1年で最も売上が低い月なので、お客さんの来店自体が少ない。ついこないだまで、ごった返すほどのお客さんで溢れていたのに、この時期になると「この店だけゴーストタウンにワープしたのかな?」と思うレベルで人が寄り付きません。

たまに来店しても冬物セールの残り物を探す程度の人が多く、せっかく入荷したばかりの春物にも興味を示してもらえません。つい1ヶ月前にセール品を漁っていた時のギラギラした目つきを思い出してくれよ、と思いますが、皆さん小動物のように大人しくなってしまいます。お買い物に対するモチベーション自体が低いので、声を掛けても見向きもされず、個人売りがゼロ、いわゆる坊主のまま閉店間際まで来ようものなら胃がキリキリしてしょうがありません。この時期は、長くアパレル販売員をやっていたスタッフでも「自分ってこんなに接客が下手だったっけ?」とスランプ気味になったりしがちです。

でも、私は販売員から転職した今だから思いますけど、まだしばらくは余裕でダウンジャケット着てるのに、春物を買えって言う方が酷ってもんです。販売員をやっているとシーズンを先取りするのが当たり前になってしまうので、普段着の衣替えも早くなりがちですが、一般的には今が一番寒いぐらいの時期ですから、まだまだ暖かい服のことが気になります。

販売員からすると冷たいお客さんにヤキモキしますが、そんな時は心の中で「今のうちに買っておかないと、あとで慌てて客注頼んできても受けてあげないぞ☆テヘペロ」と思っておく程度でいたいものです。

 

春物を着て働くのが寒すぎる。特に路面店は最悪

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とにかく寒い路面店

 

路面店のショップで働いたことが無い販売員は本当に幸せ者です。空調管理の行き届いたイオンモールあたりで働き、休憩時には暖房の効いた従業員用休憩室でお弁当をレンジで暖めて食べる。なんなら売店も併設されていたり……と、なんて幸せなのでしょう。

その点、路面店は過酷です。開けっぱなしの出入り口から直接肌に寒風が突き刺さり、ただでさえお客さんが来なくて心が寒いのに、ますます堪えます。お店には電子レンジなんてあるはずもなく、朝、弁当箱に詰め込んでカチカチになった冷や飯を食べる惨めさったら。。それならば、とコンビニでカップ麺を買ってくれば「ストックにどん兵衛の匂いを充満させるな」と上司にドヤされる始末。え?外食?金掛かるから行かねえ。

と言うのはすべて私の経験談ですが、この時期に春物を着るのは本当に辛いです。メンズの場合はまだマシな方で、レディースの場合はこの時期だとショートパンツも余裕で投入されてくるので、街を歩いている人と見比べた時に痴女かと勘違いするぐらいに寒そうな恰好をしなければいけません。

 

VMD担当にとっては年に数回の大がかりなVMDチェンジの時期

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私は店舗のVMDを主担当として働いていましたが、この時期はVMD担当にとってはむしろ忙しい時期だったりします。

毎日新作が入荷されるたびに店内のレイアウトを変更し(面倒くさくなったら手近なスリーブアウトの端っこにドーン!って入れたりすることもアリ)、シーズンの立ち上がりのタイミングではショーウインドウもチェンジ。店内のVPも一新しないといけません。

VMD担当者は物静かな職人タイプが多いので、販売メインの同僚が暇そうに見えても(実際はそうでも無いけど)黙って手を動かしていたりします。

 

 

でもやっぱり長期休暇が最高に楽しみな月

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と、色々なマイナス面を挙げて来ましたが、やっぱり冬休みですね。祝日にきっちりと休める一般職と違って、販売員は2連休を取れることすら稀です。なので、長期休暇を取って旅行にもいけるこの時期は、やっぱり楽しみな時期でもあります。短くても4連休程度、外資系のアパレルブランドだと2週間程度の休みを取ることができます。海外に行くもよし。家でゴロゴロするもよし。久しぶりに実家に帰るもよし。なんでもやりたい放題なのは今だけです。

 

ただ、休みの最終日の夜は最悪の気分ですけどね。サザエさん症候群を更にひどくしたような半ウツ状態みたいになる人も多数。

販売員の皆さん、今月もなんとか生き延びましょうね。