雨が多い街だね-アパレル販売員からの転職者が書くブログ-

元アパレル販売員で今は転職してアパレル業界の中の人をやっている著者がファッションと関係することや関係しないことを書くブログです。

モール・百貨店・路面店。意外と差があるアパレル販売員の休憩時間事情

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いつもにこやかなアパレル販売員の休憩時間の過ごし方

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体力的にも精神的にもキツいアパレル販売員のお仕事。お客様からは、いつもニコニコと元気よく働いているように見えるアパレル販売員ですが、実際には足腰は痛いわ気を抜いた表情は作れないわと、なかなかのもんなのです。そんなアパレル販売員が勤務中に唯一安らげる時間は休憩時間。

アパレル販売員は通常、就業時間中に1時間の休憩時間があります。拘束時間の長いショップの場合は、お昼の1時間休憩が「1番休憩」、夕方の2,30分の休憩が「2番休憩」と、二回に分けて休憩を取る場合もありますが、この休憩時間の過ごし方もお店によって様々。例えば、私が勤めていたセレクトショップではモール・百貨店・路面店の店舗をすべて経験しましたが、一番充実していたのは百貨店での勤務でした。

 

 

従業員食堂完備。古き良き休憩室がある百貨店

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百貨店の休憩室には少し古めの従業員食堂が併設されている場合が多いです。オーダーのシステムは、食券制だったり、カウンター注文方式だったりと色々ですが、この手の食堂はとにかく値段が安い。高校や大学の学食に近い感覚で、家庭料理に近い味付けのメニューが揃います。私が勤めていた某百貨店の従業員食堂では、日替わり定食が400円で食べられたりと、周囲の飲食店で外食するよりもずっと安上がりだったため、一人暮らしの貧乏販売員だった私にはとても嬉しい施設でした。

百貨店は建物が古いことが多いため、休憩室自体は結構小汚い(笑)。また、お役所体質で電気代の節約などを館が推進していることが多いので、冬でも結構寒い場合が多いです。

また、百貨店の場合は、アパレル店舗だけでなく地下のスーパーや生鮮食品屋さんで働くおばちゃんや、館の従業員さんなど、年齢層が高いスタッフも多いため、ショッピングモールの休憩室よりも、少し騒がしい印象です。おじさん・おばさんの井戸端会議が繰り広げられているような感じで。たまにお菓子をくれたりと、近所のおばちゃんばりのサービス精神を披露してくれることもあって、すごく暖かい空間だったなと思います。私的には最もくつろげる休憩時間を過ごせた勤務先でした。

 

明るくてキレイ。売店が併設されていることも多いショッピングモール

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イオン系、三井系のショッピングモールで働いたことがありますが、どちらも施設自体が新しかったため、従業員休憩室もとても綺麗でした。アパレルだけでなく飲食などのスタッフも20代や学生アルバイトを中心とした若い女性が多いので、なんとなく休憩室の雰囲気も明るいです。ミニコンビニのような売店が併設されているモールも多くて、

全ブランドの販売員のお母さん的存在の売店のおばちゃんから、カップラーメンを買って、備え付けのポットでお湯を注いで食べるのが私の定番パターンでした。

わざわざ最寄りのコンビニなどにお買い物に行かないでもいい分、休憩時間をたっぷり使えるのが嬉しかったですが、意外と重要なのがショップの立地。ショッピングモールの場合は、建物自体の奥行きがとても広いので、館の端から端まで歩くと軽く5分は掛かります。なので、休憩室までの距離が遠いショップの販売員は、お店からの移動時間で往復10分ほどを歩かないといけなかったりと、なかなか大変です。

 

狭いストックで気を使いながら食べるか外食するかの二択を迫られる路面店

 

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路面店で販売員をしている時が一番苦労しました。私の場合は自炊を全くしなかったので、百貨店では食堂、モールではコンビニか売店で、なんとか安上がりに済ませていたのですが、路面店の場合はそうもいきません。まず、ストックルームで食事をする場合は、匂いの強い(=暖かくて湯気が出る食べ物)は基本NG。ストック内の洋服に匂いが付いてしまったり、店頭に匂いがもれてしまったりするためです。私が好きだったカップラーメンなどの汁物は、匂い&服を汚すと言う理由でもってのほかです。なので、実際にストック内で食べられるものはコンビニのおにぎりやサンドイッチなどになります。しかも、休憩している時も店頭のスタッフの出入りは激しいため、先輩に気を遣いがちな新人時代などは、気が休まらないのです。なんなら、「お客さん増えたから一瞬、店頭出て!」「レジだけ一回打って!」などのヘルプ要請が出ることもあって、休憩している気分になりません。

となると、外食が増えてしまうのですが、これは経済的には痛手です。私の場合は、たまたまお店の近所にワンコインでランチが食べられる良心的なお店があったり牛丼チェーンがあった店舗で勤務していた時は良かったのですが、富裕層の多い立地の店舗で勤務していた時はキツかった。近所のお店がどこも割高なので、毎日の食費がとにかくかさみました。

 

一人で行く?複数で行く?一度に休憩に出る人数によって変わる心のやすらぎ

ブランドやお店によってシフトの組み方は様々です。例えば私が働いていたファストファッション系のブランドでは1時間ごとに休憩に出るスタッフが1,2名ずつ入れ替わり、常にスタッフが循環するようなシフト組みでした。

その前に働いていたセレクトショップブランドでは、ピークタイムが来る前の12時台に全出勤スタッフの半分、13時台にもう半分。と言う感じで、計2時間で全員の休憩が回るようにシフトが組まれていました。私の店舗は出勤スタッフが10名強だったので、5,6人で一緒に休憩に出る感じでしたが、恐らくセレクトショップの場合はこのパターンが一般的かと思います。

ただ、このパターンは結構気を使います。特に新人時代は5,6人で行くメンバーが全員先輩や上司だったりするので、お水を注いだりお箸を取ったり店員さんを呼んだりと空気を読みまくらないといけません。特にメンズブランドの場合は体育会系的な縦社会がハッキリ形成されているので、この傾向はさらに強くなります。私は元来「休憩時間は一人で過ごしたい派」だったので、最後までこの休憩の出方にはなれませんでした。

また、遅番のシフトは11時出勤なのに、12時台に休憩に出るなんて言うこともザラで、まだお腹減ってないよ!と思うこともしばしばでした。私のいたブランドではどこの店舗でもそうだったのですが、これってセレクトショップ販売員あるあるなんでしょうかね? 今思えば、三交代のシフトの方が人件費的な面でもスタッフの体力的な面でも効率的だったような気もしますが、そのあたりどうなんでしょうか。

 

 

と言うことで、一見華やかに見えるアパレル販売員の休憩時間事情について、当時のことを思い出しながら書いてみました。ではでは。