雨が多い街だね-アパレル販売員からの転職者が書くブログ-

元アパレル販売員で今は転職してアパレル業界の中の人をやっている著者がファッションと関係することや関係しないことを書くブログです。

アパレルの年収・給料が低い問題と日本の平均年収の話

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。

今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。

ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

 

私がアパレル転職をした理由はやっぱり「年収・給料が低い」から

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私は10年間アパレル販売員をしていましたが、今は転職してアパレル企業をクライアントに持つ広告代理店でデスクワークの仕事をしています。

30歳を過ぎてから、長く続けていたアパレル店員からの転職を決断した最も大きな理由は、何と言っても年収・給料が低いこと。某ブランドで大型店の副店長をしていましたが、それでも年収は300万円台前半…。ボーナス無しで月の給料が30万円弱。結婚も控えている中で、この年収では金銭的に厳しく、転職を決断しました。

 

ただ、販売員と言う仕事自体には大きなやりがいを感じていましたし、今も現場で勤務している皆さんには心からリスペクトの気持ちを持っています。今でもたまに、もし自分がそのまま販売員を続けていたら、どこのブランドで働いてたかなあなんて考えることもあったりしますし。だからこそ、ハードなアパレル店員の仕事って、もっと年収が高くてもいいのになーと思ったりする次第です。足腰を傷めつけながら仕事してるんですけどねえ。

 

 

スバリ質問!今の年収は平均よりも高い?低い?

今の自分の年齢の、平均年収っていくらか知っていますか?

私が転職を本格的に考えたきっかけは、この数字を知ったことでした。先ほど書いたように、私の当時の役職は副店長で年収300万円台前半。そのブランドでは店長になっても400万円台に届くか届かないか、と言う程度でした。

で、実際に平均年収を見てみるとどうか。以下の表の中から自分の年齢・性別に当てはまるところを参照してみてください。

 

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引用元:2016年デューダ調べ

 

 

いかがでしょうか?

この数字を、現在の自分の年齢・年収と見比べて「勝ってるな」と思えたアパレル販売員の貴方は、明らかに勝ち組です。私からアドバイスできることは何もありません。仕事は多少しんどくても、今の会社でキャリアアップを目指してくださいませ。

でも、恐らく半分以上の方はこの数字を見てゲンナリしているはず。転職を考えていた当時の私に当てはめると、30歳で300万円台前半と言うことは、30歳男性の450万円に比べたらマイナス100万円以上です。しかも、そこからのキャリアアップや昇給も長い道のり(副店長→店長または本社へのキャリアアップは非常に狭き門でした)。店頭で着用する服の社販で月に数万=年間数十万は実質マイナスと言うこともあって、世間の平均と自分を比べてゲンナリしたんですよね。

 

アパレル業界にいると異業種の価値観から遠ざかってしまう

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実は、私はこの数字を最初に見たときに「本当に皆30歳でこんなにもらってるの?」と思いました。平均で見るか中央値で見るかの違いはあるとしても、これぐらいもらってるのって一部の大企業の人とかだけじゃないの?と。

でも今、広告業界で働いて様々な企業の同年代と知り合えば知り合うほど、その私の考えが間違っていることを知りました。20代で企業して社長をやってる人も珍しくないですし、会社の中でしっかりとした役職が付いている人も多いです。ベンチャー社長なんて、テレビの中だけの話かと思っていたのに、「世の中にこんなに社長っているのか!」と思うぐらいゴロゴロいます 笑

 

アパレルで働いていると、土日休みの勤務をしている学生時代の友人などとはなかなか予定が合わないため、普段の交友関係もアパレル関係者に限られがちです。そうすると、どうしても異業種の人たちの金銭感覚やライフスタイルを知る機会が少なく、今の自分の稼ぎが普通だと思ってしまいがち。

でも、そうじゃないんです。アパレル業界にどっぷり漬かっていた時の自分に対する自戒も込めて言いますが、アパレルで働いている人の多くは、上司も含めて貧乏です(断言)。

 

年収が低いのに物欲には弱い私たち

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特に30歳前後を境に、お金に対する考え方は変わります。20代前半の頃は、貯金なんて考えていなかったけれど、いざ結婚やその後の子育てのことを考えるとお金はいくらあっても困りません。

ただ、これもアパレル業界特有のノリみたいなものなんですけど、金遣いの荒い人が多い(笑)。実は貯金ゼロって言う人も少なくないんじゃないでしょうか?アパレル業界で働く人は物欲モンスターが多いので、何かとお金を使うことに躊躇がありません。これは、もう完全に洋服で金銭感覚が狂ってしまっているんです(笑)。

だって、今はみんながプチプラだーとユニクロとかGUでこぞって服を買ってる時代です。月に1万円も洋服に使えば充分「使いすぎ」って言われる時代です。そんな中、私たちアパレル業界人と来たら、給料は低いのに月に10万円近く洋服代に使うとかざらですよね?

貴男のそのカナダグースのダウンジャケットは、本当に日本の気候で必要ですかと。貴女のそのゴヤールのバッグは街を歩く人からしたらただのビニール袋ですよと。いや、ごめんなさい、私も両方持ってますが。ちなみに私の場合は(さすがに結婚してからマシになったけど)スニーカー狂いで、スニーカー用に1部屋必要なぐらいのレベルに数が膨れ上がってしまいました 笑

物欲に勝てないのが私たちアパレル人なので、もはやそこを直しましょうなんて言うつもりは私にもありません。ただ、今の自分の年収が世間の平均年収から格差があることを自覚して、今の職場でキャリアアップするか、転職して年収・給料をアップしないと将来困るぞ!と言うことは経験者としてお伝えしておきたいと思います。

 

でもまた買っちゃうんだよなー。

 

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