楽におしゃれになりたいメンズにはパーソナルスタイリストをおすすめしたい
アパレルで働いていると友人からファッションの相談を受けがち
私は新卒で某セレクトショップに就職して以来、アパレル販売員として2ブランドで合計10年弱働き、現在はアパレルブランドのクライアントを抱える広告代理店に勤めています。
アパレル業界にずっと勤めていると、友人もファッション感度の高い人ばかりと思われがちですが、私がプライベートで交流する友人は、どちらかと言えばファッションには無頓着な人が多いです。まあ、これは私がそもそもアニオタだから、類は友を呼んでいるってのもありますが 笑
なので、友人から「お買い物に付いてきて」とか「これとこれってどっちがいいの?」など、ファッションに関するアドバイスを求められることもしばしば。また、妻の友人の旦那さんに聞かれるパターンもよくあります。
「おしゃれな人になりたい」よりも「ダサい人になりたくない」
そんなこんなで色々な人からお話を聞いていると、共通してよく出てくるワードが、「年相応の格好がしたい」「TPOに合わせた格好がしたい」など。
それらを総合すると『普通の格好がしたいけど、そもそも普通がどんなものなのか分からない』っていう暗中模索状態のメンズが多く、世の中にはファッションが楽しみでなくむしろ苦痛に思っている人がどれだけ多いことか!と、服バカの私は思ったりもします。
そういった皆さんのニーズとしては、「おしゃれな人になりたい」という気持ちよりも、「ダサイって思われたくない」「浮きたくない」っていう、100点満点でなくてもいいからせめて60点ぐらいのお洒落はしたいって言う感じの考えを持っている人が多い印象を、一連の体験の中で感じました。
私も相談を受ければ元販売員の血が騒ぎます。そういったお悩み相談を受けるときは誠実に対応するようにしていて、結果的に喜んでもらえるので、頑張ったかいがあった、いい体験をした、というものです。いっそこれを商売にしたら儲かるんじゃないかとも思います 笑
というのも、今ってパーソナルスタイリストっていう職業がかなり注目されていて、私の経歴やスキルから考えたら、充分食っていける商売だなと思ったからです。
ただまあ、今の仕事にも愛着があるし、フリーランスで家族を養っていくのも何かと大変なので、一旦その考えは脇におきましょう。
閑話休題。
世の中には私の友達のように、自分の服装をなんとかしたいけどどうすればいいのかが分からなくて困ってるメンズって、結構いるんだろうなと思います。たぶん、女性よりも男性の方が割合としては多いんじゃないでしょうか。
知人にはたまたま、私っていう相談相手が身近にいたけど、そうでない人も沢山いるでしょう。奥さんとか友達がちゃんと評価してくれるならいいのですが、そういった知り合いが周りにいない場合は、なかなか客観的に自分を見づらいものです。
って考えたら、パーソナルスタイリストっていう新興サービスが、今こんなに人気なのも頷けます。
そもそもパーソナルスタイリストとはなんぞや
パーソナルスタイリストは英語の意味そのままで、個人向けのスタイリストのことで、コーディネート代行サービスっていう呼ばれ方をするときもあります。
自分に似合う服装が分からなくて困っている一般ユーザーに対して、専属のスタイリストとして服装をアドバイスしたり、おすすめのアイテムや着こなしを教えてくれるのがメインですが、ヘアスタイルや、(女性の場合は)メイクやネイルなどの見た目の部分をトータルにプロデュースする場合もあります。
大抵は、初回はパーソナルスタイリストの店舗(事務所と呼ぶのかな?)に来店して、カウンセリングを受けて、そのあと双方納得の上でお買い物に同行という流れです。
そこから定期的にメールや電話で相談をしたり、買い物に同行したりと、長い付き合いになる場合も多いので、感覚的には販売員というよりは美容師さんとの距離感に似てますね。
パーソナルスタイリストはこんな人が利用する
主な用途としては、普段着をおしゃれにしたい人も勿論ですが
- 合コンや婚活向けの服装
- 結婚式やパーティーなどのイベント向けの服装
- ビジネス向けの服装
などで利用する人も多いようです。
ビジネスに関しては、社長さんや個人事業主で、ファッションから自分をブランディングしたい人などの利用も多いですね。
年齢層は結構まちまちなのですが、20代よりも、少しお金に余裕のある30代、40代がメインで、50代の人もそこそこ利用します。
パーソナルスタイリストが扱う商材は様々
メンズファッション・レディースファッションのどちらを扱うかは、事業者ごとに違います。やはり、男性スタイリストはメンズを中心に、女性スタイリストはレディースを中心にサポートする場合が多いですが、婚活などの異性向けファッションを求める人のために「女性から見て感じのいいメンズファッション」といった観点で、異性がスタイリストとして担当する場合も多々あります。
メンズ向けの有名どころだと業界で一番の老舗のライフブランディングや、モテ服を前面に押し出したDinate(ディネイト) などがあります。
パーソナルスタイリストはどんな人がやっているのか?
パーソナルスタイリストは、美容師さんなどと違って、資格が必要な職業ではありません。そのため先ほど書いたように、私でも「パーソナルスタイリストです」と名乗ってしまえば、職業にできます。
参入障壁が低いため、主婦や学生さんでも副業としてフリーランスのパーソナルスタイリストとして活動している人も多いですが、正直、サービスの質は玉石混合と言わざるを得ません。ハッキリ言ってしまえば、ダサい、胡散臭い、怪しい、高いと、そんな感じのダメダメスタイリストもいっぱいいます。
事業として成立していて、しっかりとしたサービスを提供しているのは、一部のカリスマパーソナルスタイリストや、きっちりと法人化して組織で運営されている会社のみと言っても過言ではありません。
普段はアパレル販売員の方向けの情報を発信している当サイトですが、元販売員の人が顧客さんを引き継ぎつつ独立するっていうパターンが最も多いので、販売員の転職先としても大変人気です。
一人で買い物にいくと正解が分からないからパーソナルスタイリストに頼りたい
もう少し、友人の話を続けます。
街コン用の服装を見繕ってくれという、学生時代の友人(ITベンチャーの起業家でそこそこ裕福)のお買い物に同行したときに聞いた、主な主張をまとめました。
- まず大前提としてどこの店にいくのが正解か分からない
- そもそも、おしゃれな店に入るのに気おくれする
- ショップ店員は売りたいものをさっさと売って次の客を接客したがるからゆっくり相談なんてできない
- サイズ感の正解が分からないからジャストサイズの概念が分からない
- 色合わせもちんぷんかんぷん
- 雑誌やマネキンのコーディネートをそのまま買ったけど、本当に自分に似合ってるのか分からない
- 鏡に映っている自分を見ても客観的に見れない
- てか、試着室に入るの怖い
- 無難に黒で統一したら嫁にセフィロスって言われた
などなど。最後のは奥さんのセンスが光るツッコミでした。
繰り返し出てきたのが「正解が分からない」という言葉です。
まあその気持ちは分からないでもなくて、ファッションってまず基本の型があって、そこから足し算・引き算をしてアレンジしていくものだと私は思っています。
ただ、その基本を理解していなければ、まあイミフにもなりますよ。
逆に言えば、基本型が分かっていれば、そこからは多少ずれても、大崩れはしないのですね。
サイズ感だって色だって、しっくりくる<型>が決まれば、あとはそれをベースに少しだけ足し引きするだけの話です。
というようなことを、ちゃんと理解してもらえるように話そうと思うと、確かに10分かそこらの、ショップの販売員トークでは補いきれません。
ほとんどのショップはファッションが分かっているお客様を前提に運営されている
私がやっていた経験から考えても、ショップにはたくさんのお客様が日々来店するため、すべてのお客様に対してゆっくり接客するっていうのは物理的に不可能です。
単純計算で、5万円買うお客様1人に2時間接客するよりも、1万円買うお客様5人に10分ずつ接客した方が割がいいのですね。資本主義め!
つまり、ある程度は自分の判断で服が選べて、少しの後押しで購入を決めていただけるお客様を想定して、店舗運営がなされているわけです。
なので、ファッションの基本のキから知りたい人にとっては、お店に行っても結局は自分で選ばないといけないのであって、そうすると「買ったはいいがこれは正解なのか…?」という疑問をあとから持つハメになってしまいます。
そうなってくると、じっくりと丁寧にファッションのことを教えてもらいながら、服を選んでもらえるパーソナルスタイリストの需要が高い理由が分かります。
パーソナルスタイリストは販売員でカバーできないサービスを提供している
東京を中心として全国にはたくさんのパーソナルスタイリストの会社があって、フリーランスで活動している人も加えるとかなりの数になります。
私もこの機会に、ざっと有名どころを中心にサービス内容を確認してみました。将来自分がなるかもしれないし 笑
で、実際にサイトを見て知ったのですが、その人の骨格とか肌の色を診断して、「あなたにはこれが似合いますよ」っていうのを教えてくれたりするのですね。
これは、お店だと絶対にやってくれない、パーソナルスタイリストならではのサービスなので、元販売員としては少し悔しい気持ちもありつつ、確かにお客さんの納得感は高いよな、と思います。
ファッションはセンスがすべてで、感覚的なものだと誤解する人も多いですが、実際はそんなことはなくて、どちらかと言えば理論的なものです。
プロであれば、なぜこのサイズ感でないといけないのか、なぜこのアイテムはおじさんくさいのか、なぜ無難に選んだはずの格好がセフィロスと言われるのか、などなど、すべて論理的に説明ができます。
そう言った「ルール」「基本」を理解してしまえば、あとは自分の好みをどんどん追及して、ファッションを楽しめるようになっていきます。
ファッションの楽しさを伝えてくれる伝道師的な役割としても、パーソナルスタイリストは意義深いのかな、と業界人的には思ったりです。
メンズのパーソナルスタイリストの普及は東京・関東中心で地方はまだまだ
そんなパーソナルスタイリストサービスですが、今のところ日本では東京・神奈川を中心とした関東に拠点を構えている会社が多く、他には大阪・神戸・名古屋・福岡などの大都市圏にもちらほら、という感じ。特にメンズではその傾向が強いです。
新しいサービスはどうしても大都市圏から広まっていくものですが、地方にももっと広まってくれればなーと思います。
出張にいったついでに東京や大阪のパーソナルスタイリスト事務所に寄るっていうパターンも多いと聞くので、地方の人はぜひ。
あとは、店舗型でなくてネット上でスタイリストが見繕った服を定期的に届ける、メンズファッションレンタルサービスもあるので、地方の人はそっちでもいいのかなと思います。 レディースでもエアークローゼットとか人気ですし。
最初に選ぶなら大手のメンズ向けパーソナルスタイリストをおすすめします
「もしも私が最初にメンズパーソナルスタイリストを使うなら」「友人におすすめするなら」という観点で考えると、最初はまず大手で安心感があるところを選ぶと思います。
たぶん、フリーランスのパーソナルスタイリストで、格安かつセンスのいい人もいらっしゃると思いますが、いかんせん、ネット上に情報がないんですよね。逆にフリーランスで有名な人は、半分芸能人みたいになっている人が多く、お値段も張ってきます。
あとは、この仕事ってそのスタイリストが場数をどれだけこなしてるかっていうのが、かなり重要じゃないかと。販売員もそうですが、経験値の高いスタッフはやっぱり知識も豊富で、細かい気遣いもできますよね。となると、やっぱりメディアにちゃんと露出していて、スタイリストが引っ張りだこになってるような、人気のところの方が、少なくとも失敗は無いのかなと思います。
それなりのお値段を払って失敗するのだけは避けたいですしね。
て考えると、ダントツで知名度があって人気があるのは、ライフブランディングになりますかね。業界的にも有名ですし、間違いないかと。
ネット上の情報をどこまで信用するか?とか、広告でよく見かける=いいサービスなのか?とかっていう考え方もできますが、企業としてしっかり宣伝にお金を掛けることができる=人気があるとも取れるわけで、少なくともネットで口コミの評判がいいのは間違いないです。テレビでもよく取り上げられてますし。
私的には、サイトに載ってるコーディネートの事例はちょっと地味、というか無難すぎないか、と思わないでもないですが、相談を受けた友人とかが欲してるのはこういうことのような気がします。
今度一回、覆面調査で申し込んでみようかな 笑
これからのパーソナルスタイリスト業界の発展に期待
ということで、友人からの相談をきっかけに、元販売員の立場からパーソナルスタイリストについて書いてみました。
私自身が実際に使ったことがないのですが、イチビジネスとしてもとても魅力的ですし、利用したお客さんに喜ばれる素晴らしいサービスだなあと思うのでした。
無難に間違いのないおしゃれができるようになりたい人、ゆっくりファッションについて相談しながら勉強したい人におすすめです。
ぜひ、この業界がこれからも発展していってほしいなーと思います。また私がパーソナルスタイリスト業を始めたら、ここで宣伝します 笑