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元アパレル販売員で今は転職してアパレル業界の中の人をやっている著者がファッションと関係することや関係しないことを書くブログです。

アパレル新卒面接の志望動機を考えるためのヒントを教えたる

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アパレルの新卒面接で必ず聞かれる志望動機

 

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新卒の面接で必ず聞かれるのが志望動機です。アパレル業界においてもこれは例外ではありません。 

私は新卒時代に某セレクトショップに入社しましたが、競争率は100倍近くあったそうです。正直、たまたま想定してた質問が来たとかの運もあったのですが、それでも若かりし頃の自分なりに色々考えて面接の受け答えをした結果だったのだと思います。

その後数年間働いてから、他ブランドに転職する際はいくつかのブランドを同時期に受けましたが、すべてのブランドで内定をもらいました。また、転職で入社したブランドでは副店長として、店舗に入社する中途採用のスタッフの面接官も行っていました。

そんな私の経験から、面接での志望動機をどうやって考えるのか?と言うヒントになりそうなアイデア発想方法をいくつかご紹介します。

アパレル以外の業種でも絶対に共通する考え方なので、すべての新卒の皆さんの参考になればと思います。 

 

アパレル新卒面接の志望動機で面接官が知りたいことって?

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まずは、面接官が何のために志望動機をすべての受験者に聞くのか、について。これは一つしかありません。

 

受験者が自分の会社で働きたい意欲を「本当に」「強く」持っているのかを知りたい。

 

たったこれだけなんです。

そのまんまじゃねえかと思う人もいるかもしれませんが、そのまんまなんです。どれだけ深読みしようが、実際に聞きたいのはたったこれだけ。

じゃあ、なんでこのシンプルな質問に対する答えで差が生まれるのか、を例を元に考えてみましょう。

 

アパレル面接の志望動機の悪い例

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「御社のお店が好きで普段から利用させてもらってるので、そこで一緒に働きたいと思いました」

「自分の好きな御社の商品をもっと多くの人に知ってもらいたいと思って、御社を志望しました」 

はい、これダメです。0点の答えです。なぜダメかって言うと、他のブランドでも同じこと言ってるのが丸わかりだから。

だって、これって主語を「御社」じゃなくて他のブランドに変えても言える内容ですよね。面接では「そのブランドでないとダメな理由」を述べる必要があります。わざわざ面接まで受けに来てるんだから、好きなことは大前提なわけです。その「好き」がどれだけ本音でかつ深い気持ちかを知りたいわけですよ。

これって結構言われることなんですが、でもまだ理解してない人が多いと思うので、たとえ話を入れましょう。

 

競争率100倍の面接を恋愛に例えてみると分かりやすい

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もし仮にあなたが初対面の異性に告白するとします。でも、同時に100人がその人に対して告白する状況だったとします。仮定がめちゃくちゃですけど気にしないでください。そして、その異性は100人の中から一生をともにする結婚相手を1人だけ選ばないといけないとします。当然、結婚するにはそれなりの手間暇とお金が必要です。であれば、慎重に本当に自分を愛してくれる人を選びたいと思うのが当然ですよね。

これは新卒面接でも同じです。100人に1人の割合で誰かを選ぶ必要があって、皆がみんな、口々に「好きだ好きだ」と言ってくる。そして選んだ人に対しては各種トレーニングや手続きの手間が発生し、お給料を今後支払う必要があります。

そんな多大な労力と費用を掛けるだけの価値がある人物を選ぼうと思っているのに、ただ「好きだから結婚したいです」とだけの、誰にでも言えるようなありきたりな言葉を並べる人を選びたいと思えるでしょうか?100人いたら40人ぐらいが言うような内容に対してYESと言うでしょうか?

ましてや、面接官はこれまで何年間も新卒面接を繰り返して来ている歴戦の恋愛マスターな訳です。そんな、酸いも甘いもかぎ分けて来た経験豊富な相手に対して、その告白はあまりに貧弱すぎます。

 

「御社のブランドが好き」自体が悪いわけじゃない。言うならもっと深い愛を示せ

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でも本当に好きなんだよ!と憤慨する人もいるかもしれません。あなたのその気持ちはきっと正しいし嘘じゃないのでしょう。でも、伝え方が悪すぎます。もっと具体的に「好き」の理由を伝えて、相手に「この人、本当に私のことが好きなんだ!」と実感させないといけないのです。自分は「世界中の他の誰でもないあなたが好きなんだよ」と。

 

再び恋愛に例える

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仮にあなたが男だとします。

相手の女性はとても可愛くて、気が利く素晴らしい人なのですが、その人に告白する時に「あなたはとても可愛くて、気が利くから好きなんだ!だから結婚してくれ!」って言って響きますかね?

いや、響く人もいるかもしれんけど、同時に100人に告白されてる中から1人を選ばないといけない状況で選ばれますか?なんか、他にも同じこと言ってる人が15人はいそうな気がしませんか?

それに、可愛くて気が利く女性って他にも沢山いますよね。告白された女性からしたら「じゃあ、私よりも可愛くて気が利く人がいたらそっちを選ぶんじゃん?」となるわけです。非モテ人間としては、自分で書いてて、若干この架空の女性にムカついてこなくもないですが、恋愛とはそんなもんです。

 

これをアパレル新卒の面接に例えなおすと

「御社のブランドの服が格好よくて、着心地もよくて好きだから、そのブランドの一員として働きたいと思いました」

になります。こりゃダメだ。

もっと具体的に、もっと「その相手だからこそ言える口説き文句」でないといけません。さらに言えば、それは表面的な魅力だけに終始してはいけません。その相手の思想や考えに対して共感を示し「俺はお前の外見だけでなく内面まで愛してるぞ!」と伝えないといけません。

 

アパレル新卒面接の志望動機の考え方~ここまでのまとめ~

ここまでで書いてきたことを一回まとめてみましょう。

 

  • 面接で志望動機が聞かれるのは受験者がどれだけ「本気で」働きたいと思っているかを知るため。
  • 面接で内定者を選ぶのは、100人同時に告白された中から1人を選ぶのと同じ。
  • 誰に対しても言えるような答えでは響かない。世界中の他のどのブランドでもない、そのブランドだから言える言葉で、志望動機を述べないといけない。

 

では実際に志望動機を考えるためには?

 

相手の良さを知るために行うのが企業研究・業界研究

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まず、あなたが受けようと思うブランドのいいところってどんなところでしょうか?それを知るためには、企業としての考えや、これまで発してきたメッセージ、歩んできた歴史や背景を知らないといけません。すると、そのブランドがなぜそのブランド足りえるのか、と言ういわゆるブランディングが理解できます。これが、いわゆる企業研究にあたります。

そして、そのブランドと似たポジショニングのブランド、つまり競合ブランドのことも知ることによって、その差が分かります。その差が分かることで、志望ブランドが大切にしていることが浮き上がってきます。これが業界研究にあたります。 

 

いいところに対してあなたは何を感じ、心を動かされたのか?を述べる

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企業研究・業界研究をしたことで、志望ブランドが大切にしている考えや、競合とは違う独自性が理解できました。でも、これだけだと、勉強熱心な受験者なら誰でも言えます。「御社の〇〇なところが好きで」の〇〇の部分が具体的になった、と言うだけではまだ足りないのです。

そこにプラスしないといけないのは、あなたが何を感じたのか?どう心を動かされたのか?です。

 

絶対に好印象な志望動機を1パターンだけ教えちゃる

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超具体的に言いましょう。例えば、企業研究の結果、志望ブランドが「アメリカの西海岸カルチャーに影響を受けた服作りをしているブランド」であることが分かったとします。では、あなたはそれに対して何を感じ、どう心を動かされたのか?を述べないといけません。

 

「私も西海岸ノリが好きだから」いやいや、まだ弱い。誰でも言える。

「私も西海岸が好きで、カリフォルニアまで旅行に行くほどだから」本当に?

「元々は服のデザインが好き、と言うだけだったけど、御社の洋服を着るうちに西海岸のカルチャーに興味が沸き、そこからサーフィンのことや現地の暮らしについて学ぶようになった。そんな今の自分のルーツになった御社で働きたいと思った」これだといい感じでしょ?超具体的かつ、ブランドの背景を理解してるよ感のアピールになっていて、そのブランドの考えを自分がどう感じて、どう心を動かされたのかが言えてる。 

 

恋愛の例えをまた持ち出すならば、「あなたが好き」は誰にでも言えるけど、「あなたが好きと言っていたあのバンドやこの映画も自分は好きになったんだ。だから俺たちは上手くいくんだ」って言ったら愛が深いでしょ。恋愛だと重すぎるぐらい。

でもそれぐらいがいいんですよ。

私の受けるブランドは西海岸じゃないよ、と思った人は、もう少し頭を柔らかく。

アパレルブランドには必ずブランディングがあります。そのブランドにはバックグラウンドがあり、背景があります。それが洋服のデザインにも、価格設定にも、店舗の出店計画にも、スタッフに求める人物像にも、すべて影響しています。ブランディングとはそういうものです。ちょっと頑張って、そこを深く掘ってみましょう。恋愛で相手の価値観を理解しようとするように。

 

他にも志望動機の必勝パターンは500個ぐらいあります(ウソです)が、今日はこのパターンだけで出し惜しみしておきます。

100人同時プロポーズの件は、ちょくちょく思い出してみてくださいね。志望動機だけでなく、すべての質問項目に対して言えることなので。

 

では今日はこのあたりで。