アパレルから転職した理由と30代未経験職種でも飛躍的に年収アップできた方法
コロナ禍で考えたい「アパレル販売員として生きる」ことと「アパレルからの転職」
コロナ禍で自粛生活が続くようになって以来、アパレル販売員にとっては厳しい時期が続いていますね。
このあとに再掲する記事は、当時アパレルから転職した自分が思ったこと(アパレル販売員をずっと続けるのはきつい。オフィスワークはいい。などなど)を、ほぼ感情のままに書き殴ったような記事なのですが、公開後に思いのほか多くの方からの賛同の声をいただいたものです。
当時、アパレルから転職を薦めていたのは「給料が低い」「体力的にキツい」「キャリアアップが望めない」などの一般的(というのも悲しいですが)な理由だったのですが、今回のコロナウイルスの件ではそれ以上に販売員という職種が抱えるデメリットが浮き彫りになったのではないかと思います。
それは、例えば以下のような問題です。
- お店に出勤しないとそもそも商売が成り立たず、テレワークが不可能な業態である点。外出規制や緊急時宣言によるモールの休業が起こったら商売が成り立たない点。
- 毎日不特定多数のお客様や同僚と、換気の悪い店内で接する必要がある点(ストックルームなんて最悪)。
- アパレル全体で正社員雇用が年々減っている中、非正規スタッフが解雇される可能性が大きい点。
- ただでさえアパレル不況の中で、ほぼすべてのアパレルブランドが倒産危機に直面している点。
などなど、挙げ出したらキリがありません。
例えば、私も週に1,2回は現在勤めている広告代理店への出社の必要があり、電車に乗って都市部に通勤します。帰宅後に家にいる息子を見ては「もし自分がすでにコロナウイルスの無症状患者で、息子に移してしまったらどうしよう」と本気で考えたりします。
じゃあ、毎日店舗に出勤することを余儀なくされているアパレル販売員のみなさん、あるいは接客業のみなさんはどんな不安を抱えているんだろうと考えると、「やっぱりそろそろアパレルから転職しませんか?」という主張をもう一度載せたいなと思い、今回の記事を再掲することとしました。
以下は、コロナ禍など夢にも思わなかった頃に書いた文章ですが、もしも今、アパレルからの転職を迷っている人がいれば何かの参考になるのではないかと思います。
追記:雑誌『週刊ダイヤモンド』さんからアパレル業界の動向について取材を受けました
こちらの記事がきっかけで、ビジネス系雑誌の『週刊ダイヤモンド』さん2021/4/10号、およびWeb版の『ダイヤモンドオンライン』さん(有料版のみ)に、アパレル販売員の専門家として、コロナ禍の状況についてインタビューをしていただきました。
普段慣れていないことでしたが、とても詳しくお話を聞いていただき、とても貴重な経験になりました。イチブロガーの自分の名前が雑誌に載る日がくるとは思いませんでした笑
30代でアパレルから転職に成功しました!
私は、アパレルブランド2社で販売員・販売職として合計約10年弱勤務したあとに30代になってから異業種に転職をしました。
アパレルの世界でずっと生きてきた服バカ人間なので、30代の男性が他の職に就けるのかが不安だし、そもそも転職活動の仕方もよく分からないって言うところからのスタートでした。
でも、結果的には給与面でも体力的にも恵まれた環境の職場に転職ができたので、辞めて良かった気持ちの方が圧倒的に大きいです。
今回は私と同じように、転職したいけどアパレル企業で販売職としてしか働いたことがないって言う人の参考になればと思って記事を書きました。主に
- アパレル販売員時代の振り返り
- アパレルから転職したいと思った経緯
- 転職活動でやってよかったこと
- 面接での質問の傾向、志望動機・自己PRの伝え方
- 転職したら環境がどう変わるのか?
と言ったことを書いています。
アパレルだけでなく、接客業から転職を考えている、同じような境遇の人が一歩を踏み出す参考になればと思います。
※追記※
この記事をアップして以来、沢山の方から「共感しました」とか「転職する決意ができました」などのメールをいただきました。本当にありがとうございますm(__)m
プライバシーを曝しまくって自叙伝を書いた甲斐がありました 笑
新人時代:アパレルあるある。ストック担当は新人の仕事
私は新卒で全国展開のセレクトショップを中心に就活をしました。
当時はまだスマホもなかったので、家族に写ルンですで撮ってもらったコーディネート写真をエントリーシートに貼り付けて送ったのもいい思い出です 笑
結果、競争率高め(確か100倍近かったはず)の某セレクトショップを有する企業に入社。第一希望ではなかったですが、入りたいと思っていたアパレル企業の内の一つで、アパレル販売員としてのキャリアをスタートすることができました。
販売員・接客業といっても入社間もない頃はストック担当として、お店の狭いストックの中で1日を過ごすこともしばしば。その頃は、山のように入荷される新商品をいかに早くさばいて店頭に出る時間を増やすのか?ストックを利用する他のスタッフが 商品の出し入れをしやすくするにはどうしたらいいのか?という事に頭を砕きました。
「これ以上商品を入れるスペースはないよ!」と、何度思ったことか分かりません笑
ストックを抜けて接客中心のジョブに
その後、ストックの仕事を引き継げる後輩が入社し、ようやく1日のほとんどを店頭で過ごせるようになり、ようやくアパレルの販売員として本来やりたかった接客の仕事をするスタートラインに立ちました。
それからは接客のことを学ぶ日々でした。
特に私の勤めていたセレクトショップは、お客様のファッション感度も高く、年齢層が高かったこともあり、取り扱っているインポートブランドの知識や、商品に使用されている素材の知識、カジュアルウェアだけではなくスーツの採寸方法など、勉強しなければいけないことがたくさんあり、とても苦労しました。
また、そのブランドでは販売の個人ノルマのようなものはありませんでしたが、昇給などの査定のひとつの評価基準にはなるため、売上をとるために全員が必死です。日々の個人売上に神経をすり減らす日々が続きました。
私の個人売りを、レジで横取りする先輩がいてムカついたりもしました 笑
少し端折りますが、当時の家庭の事情などもあって私は、 数年間その会社で勤めたのちに、某大手ファストファッションブランドの販売員に転職をしました。この時は、ブランドのサイトに出ていた募集から応募しました。
一度目の転職:ファストファッションブランドに転職して感じたカルチャーショック
ファストファッションブランドとセレクトショップ業態のアパレルブランドでは、同じ販売員でも求められるスキルが全く違いました。
セレクトショップの場合はどちらかといえば百貨店の販売員に近く、時間をかけて確実に客単価を上乗せしつつ決めていく接客販売が求められます。ファストファッションブランド(特に大型店舗)では、いかに多くのお客様をスピーディーに捌くか、というのが重要視されます。
接客や提案、では無く捌くと言う言葉が本当にピッタリで、入社した当初はこの違いに戸惑ったものです。
ショップのVMDメイン担当に
入社して間もなく、お店のキッズフロアのVMDを任されるようになりました。自分にとって新しい挑戦だと思い、それからは VMDのことを毎日考える日々。
アパレルから転職した今でも、マネキンやトルソーの着せ替えのスピードと着せ込みの美しさは、業界内で見てもなかなかのレベルだと自負しています笑
それからは旗艦店のVMDメイン担当にも抜擢され、幸いにも所属していた店舗の売上が好調だったこともあり、数年後に私は副店長へ昇格。
この時すでに20代後半。30代が近付いていました。
副店長時代:アパレル販売員として働くことに不安が 。アパレルから転職することが頭をかすめ始める。
サブとして予算管理、シフト作成、スタッフのメンタル面のフォロー、本社やデベロッパーとの折衝など、新しい仕事にも携わり、販売員としては着実に成長していたのではないかと思います。
しかし同時にアパレル販売員として働き続けることに対する、将来への不安が出てきたのもこの頃でした。
その頃恋人(今の妻)と、結婚を真剣に考えるようになったこともあり、10年、20年後の未来のために自分はどうするべきか?と言うことを考えるようになりました。
30歳にもなって、それまでは結婚について考えてなかったのか!と突っ込みが入りそうですが(笑) 、さすがに私もそろそろいい歳になり、自然と結婚へ気持ちが向いていきました。
でも、実際に結婚することを想定すると沢山の問題があり、私はいよいよアパレルから転職するべきではないかと考え始めました。
ここからは、実際に私がうまくいった転職活動の進め方や、どうやって転職先を決めていったかを、具体的に説明していきます。
私がアパレルから転職するためにスマホ/パソコンを使ってやったこと
かつての私と同じように、アパレルから転職を考えている人に教えれることがあるとすれば、転職活動は最初の一歩が面倒くさい!ってことです。
何かと登録することが多いです。
私も、最初にやるべき、口コミサイトや転職サイトへの会員登録が億劫で、何回か心が折れそうになったのですが「これを面倒くさがっていたら面接を受けることすらできない」と、疲れた体に鞭を打ちながら、まずは転職への第一歩として済ませました。
一昔前は、パソコンでしか出来なかったのだから、今はスマホでも出来る分、いくらかはラクになってますし。
転職エージェントへ登録して求人応募
まずは何よりこれです。
「なんで前回のアパレル転職の時にこのサービスを知らなかったんだ!」と思ったのが転職エージェント。
希望に合う転職先の求人を探してくれたり、職務経歴書や面接のサポートをしてくれたり、自分の代わりに転職活動を進めてくれるイメージです。
求人を探す手間が大幅に省けるのと、何よりも年収交渉をガッツリやってくれたのが助かりました。こんなに便利なものが、全部無料で使えるんだからいい時代です 笑
使い方のポイントとしては、複数社を併用して、常に全方位から「いい話」が絶やさずに来る状態にすることでしょうか。私は「アパレル専門の転職エージェント」「全業種対応の転職エージェント」を併用していました。
前述しましたが、まだ就業中で、体力的・精神的に余裕があるうちに登録しておいた方がいいです。私の経験上、これはほんとーに大事です。
というのも、特に今の職場への不満とかのネガティブな理由で転職を考える人って、時間が経てば経つほど疲弊していくんですよね。一回「転職したい」という考えが頭に入ったら、そこからは職場に通うのが日に日に辛くなります。
そうなると、転職エージェントに登録する気力が湧かなくなるんですよ。
一旦登録さえしておけば、条件のいい求人情報がメールで自動的に入って来る流れができるので、「いざとなればすぐに転職活動を開始できる」っていう心の余裕ができて、今の職場の仕事も少し肩の力が抜けて楽になりますよ。
私が使った転職エージェントは、主に下の2つでした。
クリーデンス-(アパレル専門転職エージェント)
アパレル専門の転職エージェントではダントツおすすめです。
悪いことは言わないので、今後もアパレル業界内で働くことを考えている人であれば、どの職種の人もとりあえず登録しておいてください。(※対象地域は関東・関西・中部が中心になるので、それ以外の地域の方は下記マイナビエージェント経由でアパレル求人を紹介してもらうのがおすすめです)
まず、紹介可能なブランドも職種もとにかく求人数が多い!
アパレル業界内では販売員の給料が異常にいいことで知られているSTUDIOSを始めとして、ビームス、ユナイテッドアローズなどの大手セレクトショップは一通り紹介実績がありますし、ユニクロ、ZARAなどのファスト系も。
ギャルソンやイッセイミヤケなどのデザイナーズも抑えつつ、マリメッコなんかの女子心をくすぐるブランドもありーの、極め付けはZOZO、ウサギオンライン、エアークローゼットなどの業績が上がりまくっているWEB分野のアパレル関連企業が紹介可能なこと。
アパレルの転職エージェントというと、メーカーが中心になることが多い中で、こういった新興のWEB企業が紹介先としてあるのは、サービスの強さを表しているのではないでしょうか?
アパレル業界に特化した人材サービスなので担当者の方の理解がとにかく深く、私を担当してくださった男性のエージェントさんは同じように元・販売員。しかも、かなり近いテイストのブランド出身の方だったので、こちらの気持ちも理解してくれてコミュニケーションがスムーズでした。
なんなら途中は愚痴を聞いてもらう場みたいになっていたかもしれない 笑 恋人や友人には見せづらい弱みが意外と話せたりするものなんですよね。
アパレル企業からアパレル企業への転職を考える人であれば、販売員であろうが本社勤務であろうが、アパレル業界内の転職を考える人は絶対に登録しておいてください。とにかく素晴らしいサービスと素晴らしい担当者さんでした。
【全国】マイナビエージェント(全業種型 転職エージェント)
私はここ経由で転職しました。やっぱり業界最大手はダテじゃないです。
アパレル特化のクリーデンスと違ってアパレル業界以外の求人を豊富に紹介してくれます。(ただ、全業種型の転職エージェントの中では、最も接客業に強いので「アパレル販売員として別ブランドに転職したいけど、クリーデンスが使えない地域」の方にもおすすめ)。アパレルから転職を考える人は登録必須。
私の場合はアパレルから異業種への転職も選択肢にあったので、幅広い業種・職種を紹介してもらえたことで職業選択の視野が広がりました。また、その上でやっぱり自分のスキルを活かしてファッションと携われる企業に転職をした方が良いと言う結論を導くことができました。
アパレルだけじゃなくて沢山の業種の転職を手伝って来たエージェントだからこそ、10年弱アパレル販売員をやって来た私の市場価値を客観的に教えてくれて、自分がアパレル企業以外で働くイメージを持つことができました。
さすがに転職エージェント業界の大手で、こちらからの問い合わせのレスポンスも早く、何を話してもいても的確な答えが返ってくるので、社内に蓄積されたノウハウが半端じゃないなとビビりました。
自分の今の希望とかスキルに合わせて、非公開の案件をガンガン持ってきれくれるエージェントさんは本当に有能です。面接の練習もしていただいたのはいい思い出。
無料なのに使っていなかった過去の自分がバカみたいでした。
※後日追記※
もう少し詳しく説明してほしいと言うお問い合わせをいくつかいただいたので、転職エージェントについて詳しく書きました。是非ご参考に。
口コミサイトから他社の年収・評判の情報収集
転職で失敗しない一番確実な方法は、可能な限りお目当ての企業の情報を事前に収集することです。一番いいのは、実際に働いている知人などから評判やリアルな給料を聞くことなのですが、そんな機会もなかなか無いですよね。
特にアパレルから転職する私のようなパターンでは、これまでなかなか異業種の職場環境や給与体系を知れないので余計にです。
と言うわけで、口コミサイトで気になる企業の年収や評判、どんな事業やビジネスを行っているのかを調べまくりました。主に利用したのは無料サービスのキャリコネ。
キャリコネ(企業クチコミサイト)
キャリコネは食べログの転職バージョンみたいなものなんですが、自分が転職しようと思っている企業のリアルな年収・社風・残業の有無などが分かります。
書き込みの数もかなり多いので、データの信頼性も高く、アパレルから転職を考える人の強い味方になってくれるはず。
あとは、転職とは関係なく、同業他社や知人が勤めている会社の年収を調べたりしてるだけでも楽しかったりもします 笑
私の場合は、異業種へ転職するパターンだったので、その業種の企業の口コミを片っ端から調べて、業界の雰囲気を掴むのにも使ったりしていました。販売員をずっとやってると、他のお仕事に関して世間知らずになりがちなので、勉強になりましたね。
すべての情報を見ようと思ったら自分も口コミを登録する必要があるのが、やや面倒くさいですが、このシステムだからこそ、沢山の口コミが集まっているわけだし、と納得しつつ登録しました。
他にも似たサービスとしてはvorkersもありますが、書き込みの内容とかサイトの見やすさを考えたら、キャリコネが一番良かったです。
Excelの勉強(パソコンで)
本当にこのタイミングでエクセルを学んでおいて良かったです。
販売員・販売職って本当にビジネスの場でパソコンを使わない職業ですよね?
私の場合も副店長になるまでは、家でネットすることはあっても、エクセルは全く使ったことが無かったです。副店長になってからも、会社が用意した売上管理のテンプレートにただ数字を打ち込むだけの作業とメールで使用するのみでした。
30歳を過ぎた社会人としてはお恥ずかしいのですが、関数なにそれ?状態で、どうやってエクセル上で足し算をすればいいのかも分からないレベル(“SUM”じゃないですよ、普通の”+”の足し算すら分からなかったんです)。
その当時、付いてもらっていた転職エージェントの方に「とりあえず一般企業で必要な初歩レベルなら、空き時間を使って1カ月で充分身に付きますよ」とのアドバイスを受けて、初心者向けの本を買って、休日に家でパチパチとやっていました。
アパレルから転職を考えるようになった理由1:給料が低すぎる
転職活動を実際に始める際は、「なぜ自分が今の仕事を辞めたいのか」「そのあとどうなりたいのか」「これからどんな暮らしをしてどんな人生を歩みたいのか」といったことを考えないといけません。
逆に言えば、自分がどこに向かうのかが決まっていれば、必然的に何をすべきかが見えてくるのかなと思っています。
まず、私がアパレルの仕事を辞めたいと思った理由について詳しく解説します。
結婚のことを考えると、今の給料で本当にこれから家族を養っていくことができるのか?と言う当然の疑問が生まれます。
ましてや転勤を伴う異動が数年おきにある今の会社では、私が単身赴任をしない限り、彼女も頻繁に職場を変えなければいけません。
見方を変えれば、私の転勤が彼女のキャリアアップを妨げてしまう、と言う問題です。
また、将来的に子供を授かった時に妻(私と同い年なので彼女もこのとき30歳を過ぎてました)が産休・育休に入ることを考えれば、自分一人の収入で家族を養っていくために、今から貯金をためる必要があります。
妻は、子供を産んだら育休はそこそこに、早いタイミングで職場復帰したいといっていましたが、私も妻も子育てをした経験はないため、こればっかりは実際に子供が産まれてみないとどうなるかは予測がつきません。
また、そもそも結婚式の資金は?新婚旅行は?結婚指輪は?など、もろもろの費用の計算をし始めたのもこのころからです。
同年代の平均年収と自分の年収を比べて落ち込む
それまでの私は、自分の年収が一般的に見て高いのか低いのか、などはあまり気にしていませんでした。
なんとなく、販売員って給料低いんだろな程度の認識だったのですが、ネットで調べると、自分の年収が世間の30歳男性に比べてシャレにならないレベルで低いことを知りました。
その当時の私の年収は300万円代前半(残業代はほぼ出ず。サービス残業が月50時間程度)。30歳の平均年収は、男性で450万円。女性で377万円なので、これはもうお話にならないぐらいのレベルです。
しかも私は生活費の高い都市部に暮らしていたことを考えると、底辺と言っても差しさわりの無いレベルです。副店長でその待遇なのかと他業種の人はびっくりするかもしれませんが、これは大手のアパレルブランドであっても、割と平均的な金額です。
アパレルから転職を考えるようになった理由2:キャリアアップの道が狭い
一般的にアパレルの副店長が社内で目指すキャリアパスは2つに分かれます。
- 店長を目指す。
- 本社勤務を目指す。
私の場合もこの二択でしたが、実際にはどちらもとても狭き門です。
副店長から店長になるには激しい社内競争が待っている
私の所属していたアパレルブランドでは各店舗に店長は1人。それに対して副店長は3人から6人程度。
もしも全国のどこかのお店で店長の枠が空いたとしても、多数の副店長の中から競争に勝たなければいけません。曲がりなりにも副店長まで上り詰めてきただけのスキルがある従業員の中から、さらに抜きん出た評価を得て店長になるというのは、実際かなり難易度が高いことです。
その当時の自分のスキルや残して来た結果に自信がなかったというわけではありませんが、私がイチ抜けできるほど評価されていると言う感覚もありませんでした。
少なくとも、ここから数年間はまだ副店長としてキャリアを積まなければいけないというのは、過去にキャリアアップした先輩社員の事例からも明白でした。
規模の大きいブランドほどキャリアアップは遅い
少し話は逸れますが。
私が働いていたアパレルブランド2社はどちらも、全国規模で店舗を展開する大手でした。大手だからこそ得られるスキルがあったり、教育体制が整っていたり、と良い面もありますが、逆に悪い面もあります。
社員の人数が多いということは、キャリアップを目指すライバルがそれだけ多いとも言えます。
もう少し会社の規模が小さいところであれば、入社して2,3年で店長になることも珍しくないのですが、私の働いていたブランドの過去の事例では、少なくとも5年以上はキャリアを積んだ人しか店長にはなっていませんでした。
なので、長らくヒラを続けている人は、小さめのブランドでマネージャー職を経験しておくのも、キャリアプランとしてありかなと思います。
販売スタッフから本社スタッフへのキャリアアップは前例が少ない
こちらは店長への道よりもさらに厳しいと言わざるを得ませんでした。
これは、どこのアパレルブランドでもその傾向にあると思うのですが、本社スタッフというのは基本的に販売職に比べて離職率が低いです。
店舗スタッフに比べて給料をもらっており、残業は少なめ、転勤も無いため、労働環境としては明らかに本社の方が良いためです。
また、私のキャリアパスとして考えられる本社 VMDは人数も限られた少数精鋭で組まれており、なかなか入れ替わりはありません。単純に、出店数が爆発的に増えて増員が必要になりでもしない限り、希望するポジションに空きが生まれないのですね。
VMD以外だと、人事・MD・プレスなども興味はありましたが、こちらは他社経験ありの中途採用組で埋められていた状況で、難易度は更に高かったため、キャリアアップの現実的な選択肢には入らず。
アパレルから転職を考えるようになった理由3:体力の限界
私は副店長をしながら、自店舗のVMDの統括ポジションも担当していました。
VMDチェンジは基本的にお店がオープンしていない時間帯に行われます。特にファストブランドはフロアの面積が広く、商品の入れ替えスパンも短いため、深夜シフト勤務が週に一回は行われます。
ただでさえシフト勤務で出勤時間がバラバラな上に、定時退社できることはほとんどなし。そこに深夜勤務が入っては体内時計は狂いっぱなしです。
また、什器のゾーニング変更に伴う移動や、商品の畳み替え、ハンガー掛けなども、数が数になってくると肉体労働に近い負荷が掛かります。この体力的なハードさが、アパレル業界がブラックと言われる所以でもあります。
20代の頃はそれでも気合いで(笑)なんとか乗り切っていましたが、30代になったあたりから、体力的に厳しいと感じることが多くなりました。
これは、販売員であれば、店頭に立ち続けているセールススタッフでもみんな同じでしょう。
立ち仕事をいつまで続けられるのか?もしも大きなケガをして体が使い物にならなくなったらどうするのか?そんな不安を抱えたことが転職への気持ちを一層強いものにしました。
育児・子育てにもエネルギーを使える夫でいたい
先ほども少し書きましたが、結婚するとなると、自然と出産やその後の育児・子育てのことも考えるようになります。
これは理想論かもしれませんが、子供ができたら休日は子供とふれあえる時間をたくさん作って、目いっぱい遊んであげたいと思っています。でも、販売員のハードな仕事をしながら、休日に子供と一緒に走り回れる体力が残っているだろうか?という心配がつきまといます。休日に寝てばかりで家族サービスをさぼるお父さんの気持ちが想像できたのもこの頃です 笑
というか、そもそも幼稚園や小学校は土日祝が休みなのに自分は土日にずっと働いてるということは、この仕事を続ける限りは子供と休日を一緒に過ごすこと自体がほとんどできないわけで。妻が土日休みの仕事をしている以上、家族全員が揃って出かけることはほぼない。ということになります。
もちろん、その環境でも幸せな家庭は世の中にいっぱいあることは理解しつつも、私の両親が二人とも土日休みの仕事をしていて、土日や長期休暇では家族で一緒に出かけるのが当たり前だったので、子供と一緒に出かけられない親のイメージがわきませんでした。そして、本当にその未来が自分の望む形なのだろうか?と疑問に思いました。
イクメンとまでは言わないけれど、育児・子育てには関わりたい気持ちがある中で、その自分が思い描く理想の家族像みたいなものを叶えられるイメージが沸きませんでした。
以上の理由により、私は30歳を過ぎて、アパレルからの転職を本気で考えるようになり、そのために転職活動を始めたのです。
アパレルから転職する際に考えた4つの選択肢
- アパレル販売員として別ブランドに転職する。
- アパレル販売員とは全くの異業種に転職する。
- アパレル販売員の経験で得たスキルを活かせる異業種に転職する。
- アパレル企業で販売員以外の職種に転職する。
の4つです。
1.アパレル販売員として別のファッションブランドに転職する。
これは、最も確実な方法です。
幸い、私のいたブランドはファッション業界内では知らない人はいない程度に名が通っていたため、少しブランディングの低い企業であれば、店長として転職することは可能でした。(このあたりも当時に付いてもらっていた転職エージェントの方から他ブランドの情報は多く得ることができました。大手の副店長クラスであれば、中堅ブランドの店長へのキャリアアップは可能です)。
ただ、アパレルから転職して違う環境に身を置きたいと言う気持ちが強かったことで、求人はたくさんありましたが、この選択肢は最初からゼロに近かったです。
アパレル販売員から転職しなければ、今回の転職に意味はないと思っていました。
2.アパレル販売員とは全く違う異業種に転職する。
例えば、学生時代にかじっていたデザイン関係(アパレルのデザイナーではなく紙媒体などのデザイン)の仕事だったり、人にものを教えるのが好きだったので塾や予備校の講師だったりと、いくつか自分がやりたいことも思いついたのですが、未経験の仕事を30代から始めるにはハードルが高すぎました。
彼女との結婚がキッカケで転職を考えた私にとっては、「夢を追いかける」的な転職は非現実的な選択肢で、こちらも早々に除外。
ただ、今の職種やスキルと関係なく「本当に自分がしたいこと」を考えてみるのは、今の自分の仕事観みたいなものを見つめなおす上でも役に立ったかなと思います。
私の場合は、夢とかやりがいみたいなものよりも、給与や職場環境などの現実的なポイントを重要視していると言うことを再確認しました。
やりたいことを追いかけて苦労するよりも、給料・労働時間・職場環境を重視して、その分プライベートの時間を充実させる。あまり格好良くは無いですが、これが今でも続く私の仕事観(まあ今もそれなりの長時間働いてますが 笑)です。
極端な話、一日中、工場のラインに流れてくるお寿司にタンポポを載せる仕事であっても、給料がしっかりもらえて定時退社が出来れば、問題なくこなせるタイプです 笑
3.アパレル販売員の経験で得たスキルを活かせる異業種の販売職や営業職に転職する。
例:インテリア販売、化粧品販売、営業職全般への転職
ここからは実際に転職活動をして面接まで持って行ったパターンです。
これは、販売を長くやっている人ならわかると思うのですが、<売る人>は商材が服であろうと化粧品であろうと野菜であろうと売ります。
「お客様のニーズの把握」「提案を生み出す創造力」「プロとしての立ち振る舞い・言葉遣い」と言う<どう売るか?>の部分のスキルがあれば、<何を売るか?>はあまり関係無いのですね。私の場合は残念ながら、接客力は人並みで、VMDスキルでキャリアアップして来た人間なのでこれには該当しませんでしたが。
アパレルからの転職事例がもっとも多くて成功率も高いのは営業職
ただ、未経験でも入社難易度が低く、給与面が格段に充実すると言う意味では、不動産もしくは住宅の営業職と言うのも考えました。男性のアパレル販売員からの異業種転職先としてはコレが最も多いのかな?女性も結構多いですが。
まあこっちはこっちでなかなかの体力勝負ですが、私のそれまでの給与から考えると、成果次第では年収が2倍になってもおかしくは無い業界なので、上手くいけば労働時間に対する費用対効果は比べ物にならないぐらい高いですね。
ただ、私にはそこまでのトークスキルは無かったので断念。
もし、今アパレルを辞めたいと思っていて転職を考えている人にアドバイスをするなら。
私と違って対面接客を長く続けてきた人にとっては、そのトークスキルは何ものにも代えがたい長所です。他商材の販売員、または営業への転職は比較的容易ですし、結果も残しやすいでしょう。
私も、もしも接客をずっと極めて来ていたのならば、不動産営業になって、1000万プレイヤーを目指していたと思います。
4.アパレル関係の企業で販売員以外の職種に転職する。
結果的に私はこのパターンで転職しました。
販売員をやっていると、アパレル企業と言うと、所謂ファッションブランドの小売りだけのように考えがちですが、実際はそうではありません。
例えば服飾の生地を扱っている繊維メーカー、PR会社、OEMメーカー、アパレル通販運営会社、販売員のコンサルタント会社などなど、挙げればキリがありません。
更に言えば、これらの会社にそれぞれ、営業、事務、総務などの各部署があるわけで、ファッション・アパレルに携わる方法は販売員だけではないことを、知りました。
私の場合は、(結果的に内定を辞退しましたが)セレクトショップで販売員をしている頃に養った知識を活かして生地メーカーの営業職の面接を受けたりもしました。
また、私は販売員としてのメインのバックボーンがVMDでしたが、接客をずっとやって来た人であれば、トークスキルを活かしてアパレル営業職に転職したり、アパレルに特化した人材コンサルタント会社なども、現実的な転職先として視野に入るはずです。
私の周囲では、特に都市部の女性アパレル販売員は、人材コンサルタントかアパレル事務に転職する人が多かったですね。皆さんの周りにも一人はいるのではないでしょうか?
私がアパレルからの転職先に選んだ職種はアパレル案件を多く抱える広告代理店
私は結果的にインターネットの広告代理店に転職しました。具体的には、アパレルブランドや、インターネット通販を行っている企業を主な取引先とする代理店です。
ここに決まった経緯を説明しますと。
私はいくつかの転職エージェントサービスを使いながら随時面接を受けていく、と言うやり方で転職活動を進めていました。ただ、さすがに今回の転職は自分にとって失敗できないと言う気持ちがあって、かなり慎重になっていました。
前述した生地メーカーの営業や、アパレルブランドのプレス(と言ってもアシスタントですが)などのお話もあったのですが、条件面で折り合わず。やっぱりアパレル以外の業界でもいいのかなと思いながらも、せっかく10年近くファッション業界に身を置いていた者としては、少し未練もありました。
そんな話をマイナビエージェントの担当者さんに相談したら、いい感じの答えが返ってきたのですね。
「アパレル企業への転職ではなくて、アパレル企業と取引をする企業と言う視点で選んでみませんか?」と言った内容でした。加えて「例えばお店のマネキンやトルソーを扱うメーカーとか、ショッピングモールの運営会社とかって言う、アパレルブランドや店舗をサポートする会社に転職するって言う視点もあるんじゃないですか?」と仰って、これには私もなるほどなと思わされました。
それまでの私は、アパレルブランドや生地メーカーなど、直接的に洋服に携わることができる企業を想定していましたが、間接的に洋服と関わる企業、ファッション業界のサポートをする企業と言う選択肢を加えることで、転職活動の視野が大きく広がりました。
アパレルから転職してもアパレル業界とは「ゆるく繋がる」という選択肢
そこからは、アパレル企業を取引先にしている会社と言う観点から、担当者さんにいくつかの企業の求人を紹介してもらい、結果的に広告代理店への転職が決定しました。
広告代理店というと、電通や博報堂を思い浮かべがちですが、世の中にはそれこそフリーランスの一人広告代理店もいるぐらいで、びっくりするぐらいの数の企業が存在します。
そのなかで、私の「アパレル経験を活かせる代理店」という希望にマッチしたのが今の会社でした。
丁度、その時に会社が求めていた人物像や経歴と自分がマッチしたと言うラッキーな部分もありましたが、結果的にはこの転職には数年経った今でも満足しています。
給料・時間・やりがいを柱に希望条件を優先順位づけした
私の仕事に対する価値基準として3つの柱があります。それが、
- 給料はいくらもらえるか?
- プライベートの時間がとれるか?(残業時間・通勤時間)
- やりがいを感じられるか?
です。
ただ当然ながら、この3つすべてがS評価みたいな、恵まれた職場は日本中探してもなかなかありません 笑
結局はこの3つのバランスをどうとるか?が大切です。私の場合は、転職の際に
時間>給料>やりがい
の順で優先順位づけしました。ここは人それぞれの価値観なので正解はありませんが、自分の中で、価値基準の軸を決めておくと、いくつかの転職の選択肢の中で迷うことが少なくなりますし、「そもそもここは受けない」という決断もしやすくなります。
アパレルから異業種への転職する時の面接って?傾向と対策
アパレルから転職を考える人が気になるであろう、面接での質問と答えについて。
私の場合は、マイナビの転職エージェントさんから、ある程度は事前に説明を受けていたので事前準備はできていました。
面接の答えは、人それぞれの正解があると思うので、あくまで参考程度にご覧くださいね。
Q.自己紹介をしてください
まあ聞かれますね 笑
ここで緊張のあまり、長々と話す人もいますが、短めで大丈夫です。最低限、必要な情報としては
- 名前
- 年齢
- 今の会社名
- 今の役職・仕事内容
- よろしくお願いします
ぐらいでしょうか?空気的にいけそうなら家族構成(既婚or独身)、出身ぐらいはあってもいいかもですが、基本的には上記の内容だけでOKです。
長く喋りすぎないのが面接の基本です。もし気になれば面接官から質問してくれるので、必要なことを簡潔に答えましょう。
Q.志望動機を教えてください
これも当然、どこでも聞かれますよね 笑
アパレルから転職するときの面接に限らず、面接で質問される志望動機の答えには
- なぜその業界なのか?
- なぜその職種なのか?
- なぜその会社なのか?
が入っていないといけない。と、新卒の面接対策のときに学びました。
特に今回の場合は、異業種から別の職種に転職するわけで、1.と2.はとっても大切です。
当たり前ですが、前の会社を辞めた理由がネガティブでは印象もよくないため、私の場合は「アパレル業界で店舗の販売員として働く中で、もっと上流から、たくさんのお客さんにモノを売る仕事に魅力を感じるようになりました」的な、理由を話しました。
販売員をやっていると、ブランドや商品のマーケティングにはなかなか寄与できないため、広告代理店という立場で、ブランディングに携わりたい、といった意味です。
同様の質問に「なぜアパレル業界でキャリアを積んできたのに、この仕事に就こうと思ったんですか?」というのもありますが、こちらも答えは同様です。
ちなみに、これが事務職への転職の場合だと、志望動機も変わりますね。
たとえば、「これまで最前線で販売をしてきたけどサポートする側の仕事に魅力を感じた。なぜなら〜〜」的な話になるかと思います。
Q.自己PRはありますか?
これもやっぱり聞かれます。でも、実は自己PRは答えやすい質問だなと思っています。
どこの企業も「モノを売る」スキルを持っている人って欲しいんです。アパレル販売員として、対面でお客さんの気持ちと向き合いつつ、モノを売った経験って、どこにいっても役立つので、自信をもって話しても大丈夫です。
接客をがんばったなら、そこで培ったトーク力やコミュニケーション力を。店長・副店長を経験したなら、それらに加えて数値管理の能力を。
ポイントは、その経験を異業種の仕事の中のどの場面で活かせるかを具体的に話すことでしょうか。例えば「アパレルの接客業務の中でも、お客様のニーズを把握して提案する能力に長けていた。御社で営業職に就いても、取引先との会話に活かせます」のような。
こういった「御社の仕事でも〜」のようなトークをする場合は、転職先の業務内容をわかっておく必要があります。このあたりも転職エージェント経由で情報を得られたため、スムーズに話せました。
Q.これまでの仕事で達成したことはなんですか?
これ、一番重要かもしれない質問です。
中途採用の場合は、ある程度、即戦力が求められるため、具体的な実績はとっても大事な情報です。面接官は「この人が入社したらどんな活躍をしてくれるのだろう?」と思っているわけで、そんな疑問に対して一番ストレートに答えられるのが、この質問ではないでしょうか?
答えるポイントとしては
- 具体的な数字やデータ
- 困難を乗り越えた時にどんな工夫をしたか?
- 周りとどう連携したか?
といったあたりです。ここ、めちゃ重要なので詳しく説明します。
達成エピソードは数字を交えて話す
たとえば、「売上が○○%アップ」とか、「スタッフの離職率が何%下がった」とか、「育成によって正社員に昇格した部下が○○人」とか「目標を○○ヶ月で達成」とか。
アパレル販売出身者が強い部分って、数字に追われる環境の中で身についた様々なスキルだったりするので、ここは外せません。
目の前の課題や困難をどんな工夫で乗り越えたのかを話す
売上のアップなど、達成エピソードを話すのはOKとして、それを達成するまでにどんな困難があったのか?どうやって乗り越えたのか?に面接官はもっとも興味があります。
また、「どうやって乗り越えた」の部分は、ただの精神論や体力自慢(がんばった、めっちゃ残業したとか)になってしまってはだめです。どう工夫したのか?を話す必要があります。
たとえば、達成したことがチームのトレーニングに関することであれば、「それまで店舗で当たり前になっていた慣習や仕組みを変えた」とか「新しいツールを作った」とかです。
もし転職しても、必ず困難にぶつかることはあります。面接官に「アパレルの仕事の中でこれだけ頭を使って困難を乗り越えたのなら大丈夫」と思ってもらえるようにしたいですね。
ひとりで何かを達成した、ではなく周りとの連携をアピール
スキルがある人に限って、困難があっても自分の努力だけで乗り越えがちですが、それだと面接では印象がよくありません。結論としては、何かを達成したことを話すなら、より多くの人と関わっているエピソードの方が評価されます。
たとえば「自分はこれだけのことを頑張って個人売りを伸ばしました」的なことを話したいとします。そのときに「他店舗に客として来訪して、いろいろなブランドの接客を受けて研究した」という答えはどうだと思いますか?悪くはないけど、なんか自分だけで努力してる感じがしませんか?
どんな職場でも、チームで仕事をするわけで、色々な人とコミュニケーションがとれる人材は重宝されます。
なので、先ほどの答えをアレンジすると「他店舗に客として来訪して、いろいろなブランドの接客を受けた。毎日、店長や先輩スタッフとロープレをして、その研究の成果や気づきに対して意見をもらった」などになりますよね。
Q.前回転職したときの転職理由はなんですか?
意外とコレ聞かれますよ!
面接官が気になるのは、今回の転職理由だけじゃないんですね。過去に転職経験がある人は準備を忘れないように。
私の場合は、新卒のセレクトショップからファストブランドに転職したときの理由にあたります。まだ私の場合は同じ業界・同じ職種での転職だったため、「業界内でのキャリアアップのため、より大規模のブランドで成長したかった」みたいな答えで問題なかったです。
これが、例えば極端な例で、漁師→アパレル→今回の転職先。とかだと、「なんで漁師からアパレルに転職したの?」って、そりゃ聞きたいですよね 笑
場合によっては「やりたいことがコロコロ変わりすぎじゃない?」と思われてしまいかねないので、これまでの転職経験が今現在までの自分を形成するのに、一つも無駄になってない。という思いを込めないといけないのかな、と思います。
職場・上司への転職の切り出し方
最初に転職したい(もしくはすでに転職先が決定してる)旨を切り出すのって怖いですよね。まあ、これは事実なので綺麗事なしで言いますが、転職したいといえばキレてくる上司も中にはいます。むしろアパレル販売員には結構多いタイプです 笑
キレられるのは諦めるしかない部分もあって、正直コツはないんですが、上司もクソ忙しいときにいきなり話されるよりは、「いついつにミーティングの時間もらえますか?」など、それなりに大きな話があることは、事前に匂わせておく方が無難です。
私の場合はそれで、なんとか冷静に話を聞いてもらえました。
転職が決まってから上司に言うか、上司に言ってから転職活動を始めるか?
迷いどころですし、あくまで筋を通すなら転職活動を始める前に言っておくべきでしょう。ただ、世の中そんな綺麗事だけじゃやってけないのも事実です 笑
転職したいと上司に伝えると、かなりの確率で転職を引き止められたり、転職時期を伸ばされたりします。コンプライアンスに厳しいこのご時世なので、さすがに転職を認めない職場は少ないにしても、「せめて次のセールが終わるまで」などと転職時期を伸ばされる確率は、めちゃくちゃ高いです。
先に転職を決めるなら入社までの日程調整が必要
引き止められてウヤムヤになるのが嫌だったので、私の場合は先に転職を決めてから退職する旨を伝えました。
ただ、引き継ぎのことを考えると、さすがに転職しますといって1ヶ月後におしまい。とはいかないことはわかっていた(同僚にもさすがに申し訳ない)ので、転職先には内定をもらってから3ヶ月程度、待ってほしいと伝えて了承をもらっていました。
今の職場に迷惑がかかることがわかったうえで、先に転職先を決めたのだから、せめて引き継ぎはちゃんとしようと思って、長めの3ヶ月という期間をとりました。
なので、先に転職先を決める場合は、このような日程調整は必要になるんじゃないかと思います。
「言ってから転職活動開始」の場合はブランクが空くことも想定しておく
私のパターンとは違いますが、先に転職する旨を伝える場合には、気にしておきたいポイントがいくつかあります。
- 退職時期の引き伸ばしに合いやすいので流されない
- 退職前から転職活動をしてもOKかを上司に確認する→黙っておけばわからないけどスジとして。
- 転職先がなかなか決まらない場合は無職の期間を想定しておく→生活費の貯蓄、しばらく実家に世話になるなど。雇用保険については後述。
あたりでしょうか?
ブランクが空くなら理解しておきたい雇用保険(失業手当・失業保険)の制度
転職の意思がありながら職に就けていない人が、一定額の支払いを受けることができる制度が雇用保険です。失業手当・失業保険ということも多いですね。
金銭面で追われない状態で、少し時間をかけて転職活動をしたい場合などは必須の制度といえます。
受給可能な条件や手続きについては、厚生労働省のホームページや、お近くのハローワークにご確認ください。
面接でも聞かれた「なんで転職したいの?」は上司にも説明が必要
話を、上司への退職の報告の場面に戻します。
上司に「すまんけど転職するわ」と言うと、確実に第一声で「え!なんで!?」と聞かれます。過去に人生で二度転職したことがある、私がいうから間違いありません。
ここでの答えとしては大きく2パターンにわかれます。
- 正直な理由をいう
- うそをつく
これも、スジを通すなら1なのですが、まあ大抵の人は多かれ少なかれ、うそをつきますよね笑
正直に言う場合も、さすがに「残業が多いから嫌になりました」とか「あんたのことが嫌いだから辞めたいんだよ」などというとトラブルにつながってしまいますし、何より後ろ向きな理由は相手の納得も得にくく、引き止められやすくなります。
そのため、「〜〜が嫌だから」ではなく「転職先で〜〜がしたいから」という、前向きな理由で話す方が確実です。
うそをつく場合。。もう深くは言いませんが、うまいことやってください 笑 まあ、バレないうその方がいいのは確実ですね。
たとえば、母親の介護で〜とか言っておいて、後日、ピンピン歩いてる母ちゃんと一緒にいるところを見られる。とかだと気まずいですし。
アパレルから転職して初めて分かった!販売員だけが持っているスキル
転職した異業種の企業で働いていると、同僚を見て「なんでこの人たちはいつもこんなに暗い声で話すんだ」と思うことが多いです。
私も働いている時は自覚していなかったけど、アパレル販売員経験者は異業種の人から見たら、明るい人に見えるみたいです 笑
やっぱりいつも笑顔でいるのが当たり前だったし、発声とかも意識しなくてもしっかりしてるみたいで、自然と身についているんですよね。アパレル販売員経験者は、総じて、コミュニケーション能力が高いと言う評価をしてもらえます。
だから、異業種に転職してすぐの時は、知識は追いつかないかもしれないけど、コミュニケーションさえしっかり取ってやっていけたら、大抵なんとかなるものなんです 笑
悲しいことに、販売員やサービス業って誰でもできる仕事とか、社会的地位が低いなんて言われがちです。
確かにこの仕事は給料は低いです。でも、販売員の仕事で身に付くスキルは凄いですし、転職してからもその経験って絶対に生きるんです。私が実際に経験しましたから。
もしも、かつての私と同じように今の待遇や環境が厳しいと思う販売員の人がいたら、そのまま続ける時間が勿体ないと思います。自信を持って、別の業界に飛び込んでみてもいいんじゃないでしょうか?
アパレルから転職して良かったこと。デスクワークで感じたメリット
ずっと販売職をやっていた私がデスクワークの仕事に転職して感じたメリットは沢山ありますが、大きく分けると以下の通りです。
当たり前だけどデスクワークはとにかく体がラク!
言うまでもなく、デスクワークは基本的にずっと机に座って仕事をします。
アパレル販売員からデスクワークに転職した人の中には「ずっとパソコンをパチパチやってる仕事は逆に落ち着かないからイヤ!」と言う人もたまにいますが、私の場合は今の方が圧倒的に楽だと感じています。先ほど書いたように、30代になったぐらいから体力的にはキツくなるので。
アパレル販売員をずっとやっていると、一日働いたあとに足が疲れているのがデフォルトです。長く続けているとそれが当たり前みたいになってしまうのですが、デスクワークはマジで体が楽。
働く前は、一日パソコンに向かっていると目が疲れたり肩こりになったりするかなと思ったりもしたのですが、意外とそうでもなく(よく考えたら私は、休日は一日中ネットをしたり読書したりしているので、似たようなものでした)、足の疲れが無いって言うメリットが圧倒的に勝ちます。
仕事が終わってから帰宅するときの足が軽い軽い 笑
アパレル販売員時代のようにお客さんの目を気にしなくていい
ちょっと説明が必要なのですが、販売職って常にお客様と対峙するので、気を抜く瞬間が無いんですよね。
これもずっと販売員をしていると当たり前になりすぎて意識していない方が多いと思いますが、販売員は常に一定の緊張状態が続いているって言うのを、今になって実感します。
特に、店頭が忙しい時はトイレ(どこのブランドでも3番って言うんでしょうか?)に行くタイミングも気を使うし、飲み物を飲んだり、鼻を噛むタイミングだって見計らわないといけないですよね。セール中に忙しすぎてもらしそうになったことが何度あるか 笑
デスクワークだと基本的にそんなことがありません。
自分のデスクの上にはいつも飲み物やお菓子があって、ストレッチしようがアクビをしようが誰の目も気にしなくても大丈夫です。
私の会社の場合は(広告業界って言うゆるめの業界の極端な例ですが)、ヘッドホンで音楽を聴きながら仕事してもOKですし、なんなら自己判断で昼寝してもOKです。
忙しいときは、取引先の対応などでバタバタと時間に追われていますが、普段は自分のペースで仕事ができるので、圧倒的に気分が楽です。
販売員特有の遅番→早番などのシフト制勤務から解放される
私の場合は深夜勤務も含むシフトだったので余計にキツかったのですが、そこまでは無いにしても遅番→早番のシフトはアパレル販売員の皆さんは経験済みでしょう。
あれって本当ーーーに、しんどいですよね?
遅番で残業して終電で帰った翌朝8時とか9時に出社とかざらですが、あれはね、人の働き方じゃないです。
金曜日の終電で周りの人は飲み終わりで楽しそうにしてる中「今から家に帰って晩御飯を食べて風呂に入って最速で寝ても4時間しか寝れない」とか、頭の中で逆算して絶望的な気分になってる時とか、もうね!
シフト制で勤務していると、毎日の生活時間が安定せず、私のように寝つきが悪い人間にとっては辛いことこの上ありません。転職してからは毎日同じ時間に寝起きするので、寝不足になることも減りました。
今の仕事も残業ゼロってわけではなく、定時退社できる日が珍しい程度には忙しいですが、出社時間がいつも同じっていうだけでも充分助かってます。
毎週2連休がある土日休みはやっぱりいい
私は30歳を過ぎてから土日休みの良さを始めて知りました。
アパレル販売員をしている時は「土日休みだと毎週5連勤しないといけないのはしんどいだろうな」とか「土日はどこに行っても人込みだろうな」とか思って、平日休みの方が自分に合っているのでは、と考えていました。
でも違いました。絶対に土日休みの方がいいです。
確かに毎週5連勤するのはしんどいです。でも、立ち仕事で5連勤すると足がボロボロになるのに対して、前述したようにデスクワークの5連勤は体へのダメージは小さいです。
それよりも金曜の夜のワクワク感と、土曜の夜に感じる「明日もまだ休みかー」と言う充実感から来るプラスの気持ちがめっちゃくちゃ強いです。まあその分、日曜の夜はサザエさん症候群になりますが、メリットの方が大きいですね。
よく言われることですが、家族や友達と予定が合わせやすいのも大きなメリットです。
私の場合は今は夫婦で暮らしていますが、将来的には子供も、と考えています。アパレル販売員だと土日の子供のお世話はすべて妻任せになってしまいますが、夫婦揃って土日休みの今の状況であれば、協力しながら子育てもできるのかなと思っています。男性は家事をしないって時代でもないですからね。
もしデメリットを上げるなら、旅行にいけるのがゴールデンウイークとかお盆になるので、旅費がかさみがちなことですが、それも年に数回のことなので。
勤務で発生する交際費は経費でOK
転職してから知ったのですが、一般的な会社って歓迎会とか忘年会のお金は会社の経費で支払われるのですね。
なんだそんなことか、と思う人もいるでしょうが、アパレル店舗の飲み会って絶対に自腹だったので、地味にカルチャーショックでした。その他にも、取引先との打ち合わせを兼ねた会食とか、移動に使ったタクシー代とか、いちいち経費で精算できることに驚くやらなんやら。
アパレルから転職してみて、ようやく世間のサラリーマン・OLが普通にやっていることを知っていくのでした。
家族と過ごす時間が増えた
妻(転職当時はまだ結婚していませんでしたが)と過ごす時間が圧倒的に増えました。
遠距離恋愛をしている時期は当然として、近くに住んでいた時期でも、私がシフト制勤務で平日休み、彼女は完全週休二日制の土日休みだったので、休みが合うのが月に1回あるかないか。同棲もしておらず、私は立場上、土日に休みを取れなかったので、顔を合わせる時間を作ることが難しかったです。
今はお互いの休日が同じなので、土日は一緒に過ごすことが当たり前になりました。土日を使って一泊二日の旅行に行ったこともありますし、平日は節約をして金曜日の夜に外食に行くことも恒例行事です。
あとは、イベント事って土日に開催されることが多いので、夫婦でライブを観に行ったりする機会も増えました。
結局、カップルや夫婦が喧嘩するときの大半の理由って「一緒の時間が作れないこと」が、どこかに軋みを作ってしまうからなのだと再認識しました(逆に一緒にいすぎて喧嘩するパターンもありますが 笑)。
アパレルから転職する際に躊躇してしまう理由について考える
ここまで私がアパレルから転職を考えた時の話を沢山書きました。
私は結婚と言うきっかけがあって転職を決意しましたが、ここからは今転職を考えている人の視点になってみましょう。
アパレルからの転職理由は「給料や年収の低さ」「体力的・精神的なハードさ」であることはほとんどの人が一致するかと思います。でも、そう思いながらもなかなか転職に行動を移せない人が多いのも事実。
私も、当記事内では時系列をかなり端折って書いていますので、さくっと転職活動へと行動を移したように見えますが、実際にはそこに至るまでには少し時間がありました。
では、アパレルから転職したいと思いながらも、行動に移れない理由とはなんでしょうか?
アパレルから転職活動に移れない理由1:自分の代わりがいない
数人で回しているような小さめの店舗や、マネージャークラスの上位スタッフの位置にいる人にとっては、悩ましいのがコレ。アパレル業界や販売員の仕事に限らず、転職するときに考えてしまいがちなことです。
店舗内での自分のポジションを担える人材が育っていないことで、「もしも自分が抜けたら店が成り立たなくなる」と思ってしまい、転職することへの罪悪感が生まれてしまいがちです。そう言う風に思えるあなたは、きっと責任感も周囲から認められるほどのスキルも有している優秀な販売員でしょう。
実は、私も最初は同じようなことを考えていました。
副店長&店舗VMDの統括的ポジションとして働いていた自分の後釜がいるのかなあと考えたり、自分が辞めたあとに他店舗から異動した新副店長が個性的な部下たち(良くも悪くも自分を持っているメンバーでした)と上手くやっていけるのか?など後任者のことまで考えだしてしまいました。
しかし、結果的にこれらは杞憂に終わったようです。
私が退職したあとには店舗で一緒に勤務していた部下が新副店長に昇進しました。
正直、私が退職する前にその話を聞いた時には、あの子で勤まるのかなと思っていました。しかし、その後の私の確実な引継ぎの甲斐もあった(笑)のかもしれませんが、環境や立場が変わって覚悟さえできれば人は成長するものなのですね。
私が退職したあと、その元・部下が副店長の職務をしっかりとこなしていると言う話を色々な人から聞きました。
もしかしたら、今「自分が辞めたら代わりがいなくて残されたスタッフが大変」と考えている人も、実は案外そうでも無いのかもしれません。
ある日急に辞めるとかではなく、遅くとも1、2ヶ月前の時点で退職したい旨を上司に伝えれば、その後の補充や引継ぎなどの対応は考えるものです。
アパレルから転職活動に移れない理由2:販売員以外の仕事ができる気がしない
異業種への転職を考えている人にとっては最も大きいのがコレ。
実はこれもアパレル販売員あるあるで、特に社会人になってからずっと接客業をやって来た人が考えがちなことです。
前述したように、ずっと接客業をやっていると、いわゆる一般的なサラリーマン、OLと言われる人たちがやっている仕事が何なのかも分からなかったりします。事務と言えば、なんとなくパソコンをぱちぱちとやっていてお茶を出しているイメージだったり、営業と言えば、ドラマとかで見る飛び込み営業みたいなイメージだったり。
アパレル販売員にとってはデスクワークは未知の世界なので、異業種の人が具体的に毎日何をやっているのかが見当がつかないのです。人は、未知のことと言うのは必要以上に怖く感じるもので、そこで自分が働くイメージが沸かずに自信を持てないのですね。
私の経験から言えるのは、これも意外となんとかなるよってことです。
未経験者の転職可の企業なんてたくさんありますよ。例えば、アパレルECの運営会社とかだと、服の売り方を知っている人をとにかく求めています。PCスキルは二の次でアパレル経験者を採用している会社も沢山あります。
だから、さっき書いたように口コミサイトや転職エージェントを使って、異業種の仕事のことを知ったり、転職エージェントをとおして、第三者から見た自分の市場価値(たぶんあなたの自己評価よりも高いです)を知ることは、それからの転職活動のモチベーションに繋がるのでおすすめなんです。
アパレルから転職活動に移れない理由3:働いているアパレルブランドの服が好き
自分がそれまで勤めてきたブランドやそのブランドの服にはどうしても愛着があります。特に、幸運にも元々ファンだったブランドで勤務できている人はこの気持ちが強いはず。さらに言えば、好きな服が社販で買えるって言うメリットを感じている人もいるかもしれません。
私は転職したときに働いていたブランドの服はそれほど好きでなかった(笑)ので、このような気持ちは無かったのですが、もしも自分が大好きなブランドで働いていたら、と考えるとやはり後ろ髪引かれる思いがあっただろうことは想像に難くありません。
私から言えることとしては「転職先でしっかりとした給料・自由な時間を得て、その中で好きな服を買う」って言う選択肢もアリってことです。
服屋で働くことでお洒落な自分でいられるけど、異業種で働いて休日にお洒落を楽しむ人生も楽しいんじゃないかなーなんて思います。
アパレルから転職活動に移れない理由4:アパレルから転職の道を選ぶとなんとなく負けた気がする
アパレル販売員は体育会系文化の強い業界です。
なので、時には辞めていった人を「根性が無い」なんて言う輩もいます。まあ、そんなことを言う人は大体、辞めずに続けている自分を正当化したいだけだったりしますが。
特に、まだ現職でキャリアアップがしっかり出来ていない人は「ここで辞めると逃げたみたいになってしまう」と言う気持ちになってしまいがちです。
でも、本当に今の会社でキャリアアップすることが一番幸せなことなのか?と言うことは、一度冷静に考えるべきではないでしょうか?
私は「結局、稼いでいる人が偉いし格好いい」と思っています。
例えば、クリエイターやスポーツ選手が、夢を追いかけるために薄給でも頑張っている、と言うのは素晴らしいと思います。なぜなら、お金以上の価値を夢に対して感じているから。
でも、特に今の仕事にやりがいを感じるわけでもなく、好きって言うわけでも無い仕事を、ただ惰性で続けるのであれば、低い給料で働き続ける意味がありません。
であれば、販売員以外の仕事でしっかりとお金を稼いで、趣味を楽しんだり家族を養える人の方が何百倍も格好いいです。
アパレル業界から転職するのは、これから人生を楽しく生きるための有力な選択肢
と言うわけで、私がアパレルの販売員からの転職についての話を長々と書きました。
転職など考えずに、アパレル販売員として本気でキャリアアップを目指している人や、心からやりがいを感じている人のことはリスペクトしていますし、実際に元同僚でそう言う人たちを沢山知っています。
私も10年近くプライドを持って続けて来た仕事なので、アパレル販売員の仕事を否定する気は全くありません。
しかし、もしも今の待遇や労働環境に疑問を感じているのであれば、転職って言う選択肢はあってもいいのかなとは思います。
大げさに言えば、私は転職したことで人生を良い方向に向かわせることができたので、個人的な実感としてはそう感じています。直接、服飾に触れながらファッションの現場で働くこともいいですが、それまで以上の給料をもらって休日のファッションを楽しむって言うのもいいものですよ。
この記事を読んだ皆さんが、これからの毎日を楽しく過ごせることを心から祈っています。
ではでは。
(追記)アパレル業界の平均年収のデータが発表されました
ちょうどこの記事を書いた数日後にこんなデータが発表されました。
引用元: インテリジェンス
注目すべきは店長と販売の給料ですね。男女が混じっているデータですが、アパレル販売員は性差による給与格差が小さいので、男性が平均を引き上げていると言うのも考えづらいかと思います。
この表の中で35~39歳の店長の平均年収が445万円とありますが、当記事の中でベテラン店長の年収が450万円前後と書いたのが、まさにピッタリでした。ほとんどのブランドが昇級しにくくなっている現状を考えると、5年後・10年後にこの年代に入る、今の20代~30代前半にとっては、さらに厳しくなることが確実です。私が販売員をしていた時代も、ブランドが景気の良かった時代に昇級した人の早い者勝ち感は否めませんでしたが、同じように感じている人も多いのではないでしょうか?
また、この中だと、店舗管理・OEM営業の高給ぶりが目立ちます。このあたりの職種は、販売員の経験を活かして転職することも可能な範囲なので、狙い目かもですね。いずれにしても、他業種と比べると全体的に厳しめの数字になっています。今はファッションがニッチな趣味になってしまって、もはや嗜好品と言われていますが、今回の数字からも業界全体が厳しい状況であることを感じさせられます。
(追記)転職者の転職理由ランキングが発表されました
30~50代のミドル層の転職者からのデータですが。アパレルだけでなく、他業種含めてもやっぱり感じることは同じなんだなーと思ったのでご紹介します。
特に、以下の内容。
これを年代別に見ると、30代は他の年代に比べ「キャリアアップのため」「給与に不満がある」「待遇・福利厚生に不満がある」「仕事の幅を広げたいため」の割合が多い。
まさにアパレル転職を考える人が考えることにズバリ当てはまっていますね。まあ、アパレル販売員が転職することが「キャリアアップ」なのかどうかは、転職先の条件などにもよるので、一概に言い切れませんが、アパレルで働いている人で、転職して給料面をアップしたいと考えている人が多いのは確かです。
「仕事の幅を広げたい」と言うアパレルからの転職理由に共感
私はアパレル販売員をしていた時に、お店と言う空間の中だけで自分の世界が閉じてしまっている感覚を持ったことがあります。
分かりやすく言えば、毎日の仕事がルーティンになってしまっている感覚です。
例え、扱う商品が毎シーズン変わっても、異動で勤務店舗が変わっても、来店するお客様が毎日違っていても、昨日と今日が変わらない感覚になってしまっていました。しかも、それがこれから数年間ずっと続くって言う。
なので、同世代の転職理由の上位にこれが来るのも納得です。
今アパレルから転職を考えている人も同じ状態になっていませんか?