雨が多い街だね-アパレル販売員からの転職者が書くブログ-

元アパレル販売員で今は転職してアパレル業界の中の人をやっている著者がファッションと関係することや関係しないことを書くブログです。

閑散期到来!アパレル店舗はセールが終われば一気に暇な毎日に

▼2020年4月追記

コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言の発令に合わせて、しばらくお休みしていたブログを再開しています。

こちらの記事を書いたのは2年以上前ですが、現実はもっとシビアでした。

今やアパレル業界では倒産を間近に控えた会社が激増。生き残ったブランドもリアル店舗は完全に縮小してECシフトの流れが確定的になりました。「販売員を続ける」という選択肢が限りなくゼロになっている現在、この記事に書いている内容も一部、古い情報になってしまったと感じています(今のアパレル販売員の立場は「辞めるか辞めないか」じゃなくて「少しでも早く辞めて命と生活を守れるか」のフェーズなため)。

ということで、現在の状況について書いた下記記事も、合わせてご一読ください。

 

【必読】緊急事態宣言の発令に寄せて

 (追記ここまで)

 

アパレル店舗が戦場と化したセールが終わろうとしている…

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12月のプレセール時期から、お正月の初売りまでの怒涛の繁忙期が過ぎれば、アパレル店舗は一気に閑散期に突入します。

これを書いている現在が、成人の日を含む3連休ラストの1月8日なので、日本中のアパレル販売員が「今日で戦争のような地獄の日々が終わる…!」と思っているに違いありません 笑

 

セール時期は、乱れていく店頭商品を立て直していくことが店頭業務のメインになるため、接客なんてあって無いようなものです。いらっしゃいませと叫びつつ、お客様にサイズの案内をするだけで、あとはずっとお畳みとストックからの補充で一日が過ぎていきます。

なんなら私なんて、新人の頃の初売りで、「列の最後尾はコチラ」って書いた立て看板を持って半日ほど過ぎたことがあります 笑

 

アパレル店舗は繁忙期の狂騒の陰に鬼の入荷ラッシュ

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私が経験したファストファッション系のブランドの場合だと、セール時期はショップに来店する客数の多さもさることながら、ストックやVMD関連の業務がとんでもなかったです。

繁忙期には一日の売上が1000万円を余裕で越える大型店舗で働いていたのですが、当然ながら売上に比例して補充される入荷商品の量もどんどん増えてきます。

冷静に考えれば、ただでさえ商品単価が安いファスト系ブランドが、セール価格で1000万円の売上を作っているわけで、平均商品単価が2000円だとしたら、5000点は売れている計算になります。

これがガッツリと補充で入ってくるのですが、こいつらを全部袋ムキして、店頭出ししたりストックにしまい込んだり、毎日閉店後にレイアウトを大幅に変更したりと、まあ私含めてVMDメインのスタッフは常に体力の限界を感じながら働いていました。最後は根性でなんとかしましたけど 笑

 

閑散期になると一転してアパレル店舗は暇に

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これが、1月の第3週ぐらいになってくると、街の人が失踪したのかと思うぐらい 笑 に、客数が減ります。

売上をセールに頼らないデザイナーズブランドなどの場合は、逆に新作を心待ちにしているコアな優良顧客が新作を買いに来てくれる時期ではありますが、一般的なセレクトショップ、ファスト系、イオンモールなどに入っているその他もろもろのアパレルブランドは、この時期が最大の閑散期。

セールで使い果たした体力を回復するためにも、残業は少なめになり、緩い空気が店舗スタッフ全体に流れます。長期休暇を回したり、スタッフの異動の噂がちらほらと流れ出すのもこの時期です。

 

お客様の来店がない日のアパレル販売員ほど暇な仕事は無い

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有給を回す分、店頭に立つスタッフの数は少なくなりますが、それでも人の手が有り余ってしまうほど、この時期の来店数は少ないです。 

ブランドによっては、店頭で2,3時間ボケーっと立ってるだけのときとかも余裕であったり、大して商品もないのにストック整理ばっかりやってたりと、この無益な時間をどうやって使うのかに頭を悩ませがちです。

とっっても贅沢な悩みですが、繁忙期には「忙しすぎてつらい」と思い、閑散期には「暇すぎてつらい」と思ってしまうのが人の性というもので、そりゃあ何もしなくても同じ給料がもらえるからいいんだけど、かといって店頭でYoutube見れるわけでもなし、やることもなく一日の時間をつぶすのも難しいものです。 

また、個人売りの観点から考えれば、売上を積み上げられないことでプレッシャーを感じてしまうのも、閑散期がつらいと感じる要因です。 

閑散期こそ苦しい思いをする店長・副店長

売れない時期の本社からのプレッシャーというのは半端なくて、前年比が毎日マイナス続き、ヘタこいたら売上ゼロのいわゆるボウズの日があったりすると、本社への報告も苦しくなります。

個人売りで苦しむ一般社員よりも、閑散期の渋さが身に応えるのが店長、副店長だったりします。

 

セールモードから一気にウインドウショッピングモードに変わるお客様のニーズ

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当たり前ですが、閑散期に来店されるお客様のお買い物へのモチベーションは低いです。

この時期のお客様のニーズは、「セールの残りもので最終値下げの商品はないかな」がダントツの1位ですが、もはや死に筋商品の不人気カラー・サイズだけが残っているような惨憺たる状況のセールコーナーでは、掘り出し物を見つけるのも難しいです。

それ以外のお客様は、近所をぶらついてるついでにとりあえず見に来ました、というウインドウショッピングモードの方ばかり。当然ながら、お声がけをしてもリアクションは薄いです。 

 

閑散期の売上低迷を「ファーストアプローチが遅い」で片づけることへの疑問 

上述した店長・副店長の話とも関連しますが、この時期は売上が上がりづらいため、店頭スタッフの接客に対して上司からゲキが飛ぶシーンがしばしばあります。まあ定番が「お声がけをもっと早くしろ」ってやつですが、どれだけ早くしても売れないものは売れません 笑

実際にデカいブランドの旗艦店で副店長をしてた私が言うんだから間違いない。

そりゃあ、「好きなデザインがあったら定価の春物でも買うぞ」っていうモチベーションの高いお客様も来店されますが、確率論で言えばそうでない場合の方が圧倒的に多いわけですよ。

だったら、もう「この時期は、実売期に再来店して買ってもらうための種まき」と割り切っちゃう方が、スタッフのモチベーション的にもいいんじゃないかと思います。となると、お客様が来店した瞬間にお声がけするような、ガツガツ接客を強制させてちゃダメですよね。アプローチの早さでなくて、じっくり見てもらって、一番ニーズが高まった瞬間にお声がけする、タイミング重視の接客が好ましいです。

まあ、それも不可能なぐらい、一瞬も立ち止まらずに帰るお客様も多いですが、無理やり早めにアプローチして嫌がられてちゃ、再来店の可能性すらなくなるので。

 

アパレル戦士は長期休暇でゆっくり体を休めるべし

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とまあ、閑散期の嫌なことをたくさん書いてきましたが、ようやく休みが取れますよ!

実家に帰るもよし、旅行にいくもよし、家でノンビリと過ごすもよしです。

ブランドによって長期休暇の日数は様々ですが、私が2社経験したうち、セレクトショップだと1週間、ファスト系ブランドは外資なだけあって2週間と、かなりロングの休みが取れました。

皆さんは今年の長期休暇はどれぐらい取れたでしょうか?

長期休暇は夏冬のセール後しか取れない人がほとんどだと思うので、ゆっくり羽を休めつつ、ホリデーを楽しんでくださいね!

 

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